4. オリックスの業績と財務分析

【業績】
16年3月期の一株利益実績が198.7円。会社四季報(2017年新春号)による予想は、そこから217.4円、236.4円と伸びるというものだ。売上高も同時に伸びる予想となっているので、予想ベースでの業績推移は堅調なように見える。しかし、つい先日発表された第三四半期決算によると、進捗は前年度に比べて1株利益がかろうじて微増といったところ。セグメント別にみると、リテール部門と事業投資が業績へ寄与する一方で、法人金融など主軸の事業が足を引っ張る形になっている。

  • PER……8.0倍(PERは一般に10倍以下が割安だとみなされている)
  • PBR……0.93倍(PBRは一般に1倍以下が割安だとみなされている)
    (2017年2月15日時点) 指標面では十分割安な水準まで株価が下がってきている。

【財務】
自己資本比率が21.9%と低めで、自己資本に対する有利子負債の比率は高め。利益を圧迫する一要因ともいえそうだが、不動産、事業投資など事業内容の特質から借り入れは多めなことが普通だ。

一方で、自己資本を使ってどれくらい利益を産み出せたかを見るROE(株主資本利益率)は12.2%と、合格水準である8%を超えている。

オリックス、株価下落局面で狙う戦略がよさそう

業績進捗が悪いため、割安な水準まで株価は売り込まれている。配当予想51円と優待(5000円相当のギフトと割引カード)を考慮すると、株価に対する利回りは6%程度と高い水準だ(2017年2月9日終値で換算)。ただ、本業の立て直しによる業績復調も見守りたい。狙い目の優待としてリスト入りして、権利落ちする前にさらに株価が下がった局面を狙うなど、戦略を立てて買うのもよいだろう。

文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online

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