中国では、越境Eコマース(海外通販)ブームとなっています。外国旅行を封じられ、個人で外国の商品を買うには、これしかないから、と想像はつきますが、実際にはどうなっているのでしょうか。分析してみましょう。

インバウンド需要……ダントツだった中国人

2020年の中国人訪日客数は106万9,300人、2019年比88.9%の激減でした。コロナ前の1月が92万4,790人と年間の86.5%を占め、2月以降はほぼ全滅でした。

全国百貨店免税売上は約686.2億円、2019年比80.2%減でした。百貨店だけで約2,800億円が失われた計算です。昨年12月のデータを見ると、売上上位商品群は、1位、化粧品 2位、ハイエンドブランド 3位、婦人服飾雑貨、4位 食料品の順でした。購入者の国別では中国が不動の1位です。

また2019年の訪日外国人旅行消費額データ(国土交通省)によれば、中国人は総額の36.8%、買物に限ると56.1%を占め、ダントツの購買力を誇ります。 

中国の越境Eコマース……主役は若い女性

この旺盛なインバウンド需要は、越境Eコマースに向かったと思われます。実際、2020年の中国の越境Eコマースは31.1%も伸びています。

誰が輸入商品を買っているのでしょうか。代表的な専業サイトの女性と30歳以下の比率を見てみましょう。

サイト名 女性の割合 30歳以下の割合
考垃海購(アリババ系) 80.5% 74.8%
小紅書 78.0% 85.0%
豌豆公主 76.1% 84.1%

海外商品購入の主役は、若い女性たちでした。

売れ筋……“宅経済”関連品

何が売れているのでしょうか。B2B(業者間取引)の越境Eコマースを担う、アリババの「阿里巴巴国際站」によれば、“宅経済(巣ごもり消費)”関連商品が相変わらず伸びています。

中国は、すでにリモートワーク、オンライン学習用の機器、パジャマなど巣ごもり商品特需は終わり、ほぼ平常の生活を取り戻しました。しかし昨年12月になり、オンライン娯楽商品や、レディースインナーが再ブレイクしました。レディースインナーの検索量が、前月比70%増加したのです。この流れはすぐに業者→消費者へと波及していくはずです。化粧品やハイエンドブランドだけでなく、インナーなど日用品まで、幅広く海外通販で買う時代が到来しました。インバウンドは失っても、日本企業にはまだ大きなチャンスがありそうです。

文・高野悠介

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