生きていくためにお金は切っても切り離せないもの。「お金が欲しい」で検索すると、実にさまざまな「即座にお金が手に入る方法」がヒットします。しかし、これらは本当に私たちをリッチにしてくれる方法でしょうか?

今回は、正しいマネーリテラシーを身に付けるために知っておくべき、「お金がないとき」にやってはいけない3つのことをご紹介します。

その1:カードローン(キャッシング)

やってはいけないことの1つ目は、キャッシングをはじめとするカードローンです。借金は、時としてチャンスを生かすために必要な手段になりますが、個人向けのローンは金利手数料の負担が大きく、結果的に損しやすい仕組みになっています。

カードローンはいまや手軽に現金を手にできる方法の筆頭。借入手続きはスピード勝負で手間もかからず、問題がなければ1~2時間もしないうちにお金を借りることができてしまいます。

申し込みに必要なのは本人確認書類のみ。印鑑も保証人も担保も不要で、借入額によっては収入証明書さえいりません。1社あたり50万円、他社も合わせれば総額100万円という金額を、カードローン会社は収入確認なしで貸し付け可能としているのです。

また、カードローンの一種であるクレジットカードのキャッシング機能を利用すれば、何の手続きをすることもなく、ATMから30万円程度までなら引き出せてしまいます。ATMを通すことで、借金という感覚が薄れることにも注意が必要です。

「きちんと返せるなら借りたって問題ない」という意見もありますが、その意見に筆者は断固として反対します。重要なのは、このようなときに相手目線で考えられるか。

なぜ、金融機関はそんなに簡単にお金を貸すのか考えてみてください。理由は簡単。「もうかる」からです。相手がもうかるということは、私たちは損をする可能性が高いということでもあります。

その2:リボ払い

クレジットカードの返済方法の一つに「リボルビング払い」、通称「リボ払い」があります。利用件数や金額に関係なく、毎月一定の金額を支払っていくという返済方法で、最小支払い額は借入総額によって変わります。

「月々2,000円からの支払いでOK」などとうたっているサービスもあり、一定額を毎月支払っていくだけなら、支出管理しやすく便利だから良いのでは?と思うかもしれません。

しかし、リボ払いは利用残高全体に実質年率15~18%の金利手数料がかかる仕組み。元金はなかなか減らず、完済までの金利手数料は莫大になります。さらに、支払い終了時期が見えにくいという難点もあります。

実際にどれほどの金利負担があるのか実例で見てみましょう。

  • 借入総額=50万円
  • 返済額=リボ払い1万円(元利定額方式:返済元金+利子=1万円)
  • 年利15% 「元利定額」では毎月一定の支払い額に利子や手数料が含まれます。一般的に金利手数料(利子等)が大きくなる方式で、上記の場合、完済までの金利手数料の総額は約29万円。返済総額は79万円にも上ります。ちなみに返済回数は79回(6年7ヵ月)。借りたお金の1.6倍を返すことになるのです。

    その3:ギャンブル(競馬、パチンコ、宝くじなど)

    ギャンブルは損失を受ける確率が高く、お金を増やすという観点からNGです。

    そもそも、競馬の還元率は約75%、パチンコは約85%と定められていますが、これは、競馬は25%、パチンコは約15%が胴元の取り分で、その残りが参加者に分配されるということ。数値で考えると、1万円を賭けた場合、競馬なら2,500円、パチンコなら1,500円を平均的に失うということです。

    また、宝くじやtoto(サッカーくじ)はパチンコなどのギャンブルとは別物と考えている人も少なくありませんが、これらもれっきとしたギャンブルです。しかも、還元率は宝くじが約46%、totoは約50%という低さ。

    こうして見ると、ギャンブルでお金を増やすのは至難の業であるのは一目瞭然。ギャンブルは「お金を増やす」ためにするのではなく、損しても問題ない金額の範囲で「娯楽」として楽しむのがよいでしょう。
     

    (写真=Pressmaster/Shutterstock.com)