イクメンが当たり前の世界になるには
もちろん、頭の柔らかい昭和のオトコもいます。イクボスという言葉だって出てきていますし、LAXICにだって、育休取得した男性の体験談が載っていますね。しかしまだまだ数は少ないのが現実ではないでしょうか。
私たちが「イクメン」なんて言葉をわざわざ使わなくても、夫婦が家事分担、ふたりで育児をするのが当たり前という時代は、まだ先になるのかもしれません。
例えば、「え、子どもがインフルで君が3日も休むわけ?」と思わず口にした60代上司、娘が結婚し共働きで生活する様を見ているうちに「・・・こんなに女性の負担は大きいのか」と初めて実感するかもしれません。コテコテに固まっていたマインドも、実の娘の奮闘ぶりを助けて初めて「周囲の協力がなく、ひとり女性が育児と仕事を担う大変さ」=ワンオペ育児という言葉の片鱗だけでも理解するようになるかもしれません。
そして、今、私たちが育てている子どもたちが、ほんの少しでも家事を手伝い、子どもの世話をするパパを見ながら「お父さんも家の事をするもんだ」とすり込まれて、それが当たり前と無意識に思えるようになって、初めて本格的なイクメンが誕生するのでしょう。
とはいえ、悲観することはありません。時代は確実に変化しています。そもそも女性に選挙権さえなかった時代から、ウーマンリブを経て、今、イクメンという言葉が闊歩している。ちゃんと、時代は「オトコもオンナも働く時代」に向かって進んではいるのです。
革新的な女性やリーダーたちが、一歩前を行く改革をしようと闘っています。会社で時に反感を買いながらも、次に働くお母さんたちの為に道を切り開いていく女性、あなたの周りにもいませんか? 女性の権利や働く環境、保活問題、社会と会社の両方に戦いを挑む先輩方に大きな感謝を日々感じることでしょう。では、私たちには何ができるのでしょう?
「私には世界を変える力なんてない、すごいなぁ」と思いつつ、子どもを送迎し、仕事をして、ご飯を作り、様々なことに忙殺される日々。ワンオペ育児に苦しみながら、夫に大変さを訴え、家事分担を願い出ても、果たしてどこまで理解してくれているのやら。
それでも夫がいくつかの家事を担当してくれるようになる。それが第一歩です。
そうやって、一家庭の小さな暮らしの中でも、たぶん、それほど意識せずに小さな「改革」をやっているのが世の働くお母さんたちではないのでしょうか。
そして私たちの小さな努力を見て育つ子ども達の未来に、大きな夢を持ちたいですね。次の世代はイクメンなんて言葉を過去の産物にして「家事も育児もふたりでやるもの」、勤める企業も「男女どちらも子育てに参加するもの」、それがきっと当たり前になっている。昭和なオンナは、小さな期待を持っています。
ライター 大橋 礼
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌! 本とお酒があればよし。
提供・LAXIC
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