最大のメリットは、育休中に復職後のイメージができること
編集部:実際にはどの様にマッチングされるのですか?
金子:企業が求めるボランティア情報を載せてはいますが、実際にはママボランを希望する方ベースでのマッチングが多いです。登録いただいた方の経験とかスキル、やりたいことを聞いて、そこから内容を決めていく流れです。
編集部:その間お子さんは?
金子:基本的には打ち合わせなどは子連れでOK。実際の作業は在宅勤務でできる内容を想定しています。あとマザーネットさんの託児や、パーソルグループで提供している家事代行ショコラのチケットをお渡ししているので、例えば「打ち合わせに行きたい」という時にマザーネットを使ってみることもできます。
編集部:利用者の負担はあるのでしょうか?
金子:負担は基本ありません。一ヶ月1万円まで使ってもらえます。お子さんを他の人に預けるという練習にもなるかと思います。
編集部:預けてみないとわからないことも多いので、とてもいい取り組みですね!自己負担だと「打ち合わせに行くのに5000円払うのはちょっと……」ってことにもなりがちですし。こういうサービスを導入しようと思ったのはご自身の経験からですか?
金子:そうですね。復職後は「子どもを預けて仕事をする」ということが初めてになりますよね。子どものシミュレーションになるし、ママ自身が自分で気持ちの折り合いをつける練習にもなると思うのです。
編集部:いま、一時預かりってなかなか取れないし、自分が思っている以上に家では仕事ができない。「子どもが寝た後に」と思うけど、これも実際にはあまりできない。そういう感覚がわかるのがいいですね。
金子:「できないってことがわかった」とおっしゃっていたママボラン経験者もいました。子どもは思っている通り動かない、それがわかってよかったと。
編集部:興味はあるけれど、実際には大変じゃない……? と躊躇している人も多いのかな、と思うのですが。
金子:ボランティア量に関しては週10時間程度を目安にしていますし、ボランティアを始める前に、仕事内容や時間などは受け入れ先とすり合わせをしますので、そこは安心していただけると思います。
編集部:それなら安心ですね!
ワークを受けることによって、自分の考えが整理される
編集部:実際に登録した後の流れはどの様になりますか?
金子: WEBで登録後、スタートアッププログラムに参加してもらいます。ここでキャリア研修をやります。ここが弊社の強みでもあるのですが、ボランティアをする前に自分のWILL・ CAN・ MUSTを整理します。毎週6人ずつという少人数で開催しています。弊社で子連れ可能なオフィスが先月末にできたので、参加する時は子連れOK。ボランティアの仕事をする時にも使ってほしいと思っています。
編集部:今後、地方展開はあるのでしょうか?
金子:東京だけでなく地方でも検討しています。スタートアップセミナーはスカイプなどでも参加できますし、ボランティアも基本は在宅の仕事なので大丈夫です。
編集部:こちらからボランティアをやってみたいところを希望できるんですよね、いいなぁ。ほかの会社の働き方とか見てみたい。女性が長く働くことを考える時、仕事内容だけでなく就業時間や休み、環境…など複合的に考えないといけないですもんね。育休インターンとして色々経験してきたから出てきた答えなのでしょうね。
金子:そうですね。あの時期がなかったらそこまで思わなかったと思います。これから”ママボラン“ではランチ会やイベントも定期的に開催したいと思っています。ぜひラシクさんともイベント一緒にやりましょう!
編集部:ぜひ! こちらこそお願いします!
一見、小柄で静かそうな金子さんですが、内に秘めたものはものすごくパワフルな女性でした! マミートラックに陥った自分の失敗や実際に参加した育休インターンでの経験を糧に「同じ思いの女性たちの受け皿を作りたい」と始めた”ママボラン”。ボランティア活動をすることによって、復職後のシミュレーションもできますし、自分の思いや強み、頭の中が整理できます。そして、何よりも会社の枠を超えて繋がりもでき、自分の経験値も高まります。今はまだまだ少数派かもしれませんが、今後、育休中のスタンダードとなる日も近いかもしれません。
金子 麻由子さんプロフィール
山形市出身。大学卒業後、地元の新聞社にUターン就職。報道記者として4年勤務。結婚を機に上京して、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)に転職。 転職サービス「DODA」のマーケティング・編集を担当。1人目の育休後に、女性の転職・求人情報サイト「Woman Career」を立ち上げ。二人目の育休後となる2017年7月より、パーソルホールディングス株式会社のママお仕事がんばって(MOG)事業推進室にて、「ママボラン」を開始する。小1男児、1歳女児の母。
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