第2新卒の人の転職活動は、社会人としての実績が少ない分、アピールできるものはなんでもアピールしたいところ。そのひとつとして、資格をもつことは有効なのでしょうか?株式会社学情が運営し、20代若手人材の転職をサポートする「Re就活エージェント」に、第2新卒の転職で強みとなる資格があるか聞いてきました。

第2新卒の転職に資格はそれほど重要ではない?

―――ずばり、第2新卒の人の転職活動で資格を有していることは影響しますか?

Re就活エージェント(以下、Re就活):正直に言って資格の有無は、それほど影響しないと思います。専門職ならそもそも資格がないとはじまらない場合もありますが、職種を問わないなら資格の有無はそこまで影響しません。ただ、今やほとんどの仕事においてパソコンを使うので、パソコンに関する資格をもっておくことは良いかもしれません。

―――具体的にはどんな資格でしょうか?

Re就活:たとえば、MOS資格(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)です。この資格は、「Word(ワード)」、「Excel(エクセル)」、「PowerPoint(パワーポイント)」などマイクロソフト オフィス製品の利用スキルを証明するものです。これらを使って資料を作る業務はどの企業でも発生すると思いますので、もっておくと役に立つはずです。

―――職種別に、もっておきたいMOS資格はありますか?

Re就活:事務系の職種だと<MOS Access>が重宝するでしょう。VLOOKUP関数の資格もあるといいですね。MOS Accessとは、データベースを管理するためのアプリケーション「Access(アクセス)」の知識を示すための資格です。また、ExcelやGoogleスプレッドシートで使われる「VLOOKUP関数」のスキルは、<MOS Excel エキスパート>などで示すことができます。Excelの基本的な操作はほとんどの人ができると思いますので、それよりも一歩進んで関数までマスターしておくと事務系の職種では役に立つでしょうね。

<MOS Access>
マイクロソフトのデータベース管理ソフト「Access(アクセス)」の専門知識を問うもの。MOS試験の科目のひとつです。

<MOS Excel エキスパート>
マイクロソフトの表計算ソフト「Excel(エクセル)」の専門知識を問うもの。基本的な操作を理解している人向けの『一般レベル』、関数やグラフ、ピボットテーブルの作成など高度な機能を理解している人向けの『上級レベル(エキスパート)』の、2つのレベルの試験が用意されています。

IT系の職種に限定するなら必須の資格も

―――その他の職種に関してはどうでしょうか?

Re就活:IT系の職種だと、<ITパスポート>は登竜門といえるでしょう。ただ、もっていると有利というよりは“もっておいて当然な資格”です。ITエンジニアとして働きたいなら、<基本情報技術者試験>も受けておくのが一般的ですね。それ以上になると専門分野によって細かく分かれてきます。例えばプログラミング言語の資格は複数ありますし、エンジニアだとまた違った資格が必要になる場合もあります。

<ITパスポート>
ITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格。取得のための勉強を通して、ITを正しく理解して積極的に活用するスキル、職場内の課題を把握・分析して解決するためのITスキル、ITの安全利用や企業のコンプライアンス向上に結び付くスキルを身に付けられます。

<基本情報技術者試験>

情報処理技術者試験のひとつである国家試験。ITパスポートが「ITを利用する側の資格」であるのに対して、こちらは開発者として「IT技術を提供する側の資格」に位置づけられます。

―――IT関係の仕事に就きたい場合、資格がないと難しいでしょうか?

Re就活:ITパスポートと基本情報技術者資格を土台としてもっておけば、「未経験歓迎」求人の場合は問題ありません。第2新卒の人で、これまでの実務経験をアピールしたい場合は、さらに取得が難しい資格が有利に働くこともあるかもしれないですね。(続)

たとえば、ネットワーク資格の中でも難易度が高い<CCNA/CCNP>や、プログラミング言語「Java」もそのひとつ。サーバーを扱うなどインフラネットワーク系の職種だとシスコシステムズ社の技術者認定資格であるCCNA/CCNPは保持しておきたいところですし、開発系だとOracle社認定の<Java Bronze>があるといいでしょう。(続)

Javaプログラム試験には、Java Bronze・Java Silver・Java Goldの3つのレベルが設定されており、Java BronzeはJava資格の中ではもっとも難易度が低いので、まずはこの資格取得を目指すのもいいかもしれませんね。(続)

ただ、必ずしも資格があると有利というわけではないので、あくまで自分の希望する職種に活かせる場合のみ検討すればいいと思います。

<CCNA/CCNP>
世界最大手のネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの技能を認定する試験。シスコ技術者認定資格である「CCNA(Cisco Certificated Network Associate)」の上位資格が「CCNP(Cisco Certificated Network Professional)」。CCNAが初級者向け、CCNPが中級者向けとされています。

<Java Bronze>
Javaの開発元であるOracle社が提供するJavaの知識と技能レベルを測る「Oracle認定Javaプログラマ試験(Oracle Certificated Java Programmer)」の一つ。Bronze(Javaによるオブジェクト指向、プログラミングを覚えたレベル)のほかに、Silver(上級者の指導のもとで実装コードやテストコードなどを書けるレベル)、Gold(設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装がおこなえるレベル)があります。