これまで「面接をする際に気をつけておくべきこと」をまとめてきましたが、転職活動をするうえでは、面接だけでなく筆記試験を受けることもあります。その時に、「筆記試験はあまり重要視していない」人は、ちょっと危険かも。今回は、筆記テストに関して知っておきたいことをキャリアアドバイザーが伝えていきます。
おはようございます! キャリアアドバイザーAです。
Cinq読者の皆さん、ご機嫌いかがですか? 夏の疲れが溜まってくる頃です。睡眠をしっかりとって、ステイヘルシーでこの残暑を乗り切りましょう!
さて、転職活動をしていると、書類選考や面接の他に、筆記テストを課す企業もあることに気付きます。筆記テストの内容は様々ですが、代表的なところでは、
・言語処理問題
・数理処理問題
・適性検査(性格診断)
・一般常識・小論文
・専門知識を問う試験(エンジニアなら簡単なプログラミング、経理なら簿記の基礎問題)
などが挙げられます。
「筆記試験は参考程度」は間違い
「中途採用は経験や面接重視。新卒じゃあるまいし、筆記テストは参考程度でしょ?」そう思っている方はいませんか?
筆記テストの結果によっては、即戦力であっても不合格にする会社は厳然として存在します。甘く見ていると痛い目に遭うので要注意。専門能力だけではなく、基本的な能力も重視し、転職者を多面的に判断しようという考え方の企業に多いのです。
「以前、筆記テストの結果が基準に満たなかった方を特例として採用したものの、結局長続きしなかったことがあるので、今は筆記の結果は結構重要視しています」と仰る人事の方もいらっしゃいました。
社会人としての基礎がしっかりしている方のほうが、キャリアの積み上げがスムーズにいくものなのかもしれません。
せっかく書類が通って面接の手応えもあったのに、筆記テストでつまづいた! という転職者は意外と多いのです。特に、社会人になってからある程度の年数が経っている方に多い印象です。仕事上での実力は十分お持ちなので、非常にもったいない話です。
人材紹介会社をお使いの方は、自分が受験している会社の筆記テストはどういった傾向のものか、よくキャリアコンサルタントに確認してくださいね。
筆記試験もしっかりと対策! 集中力が試されているかも
今は、インターネット上にも筆記テストの出題傾向や模擬問題等もあります。もちろん対策本等も書店にはよく置いてあります。ぱらぱらと眺めてみるだけでなく、実際に時間を計って解いてみることをおススメします。
代表的な筆記テストで良く知られているのは「SPI」ですが、中途採用で行われる筆記テストとしては「CAB」をベースにしたものが採用されているようです。 (SPI…リクルートマネジメントソリューションズ製 CAB…日本SHL社製の筆記テスト)
CABの問題は暗算・法則性・命令表・暗号の4種類と性格テストで構成されています。 例えば【暗算】。何だか一見特別な準備も必要ないように思えますね。小数点以下の掛け算や割り算、分数等、小学生の時に習うものです。でも、実務では電卓にお任せしていて、実際自分で計算してみることなど、社会人になってからはめっきり減っている方がほとんどではないでしょうか。
例えば、下記のような問題を50問、10分間で解いていくことになります。
問題1 : 29×43
A:1127 B:1247 C:1317 D:137 E:1297
問題2 : 4256-7-513
A:3952 B:4082 C:3532 D:3736 E:4216
問題3 : 0.9×0.003
A:2.7 B:0.3 C:0.03 D:0.0027 E:0.27
問題4 : 76の30%
A:14.4 B:2.58 C:15.0 D:22.8 E:15.8
問題5 : 0.3÷0.0005
A:0.015 B:6 C:600 D:0.06 E:0.15 …
いかがでしょうか。
「わ、まずい…」と内心冷や汗の方、いらっしゃるのではないですか?
これらの問題を1問12秒平均で解く、ということになるので、ある程度の準備は必要になることはおわかりいただけたのではないでしょうか。
「こんな計算ができるからって何の意味があるんだろう。こういった処理はExcelでできるのに…」「早く終わらないかなー」等と雑念が入ってしまい、集中力がきれる人もいらっしゃるようです。
後半に行くにつれ字の乱れや誤答も目立ち、「面接では几帳面だとアピールしていたのにどうもギャップがある印象だ」と評価されてしまった方もいました。