「歴史博物館」と聞くと、堅苦しくて難しい物がいっぱいというイメージですが、大阪がかつて難波宮だった頃から、大坂や上方と呼ばれる時代を経て、そして現在に至るまでを、ビジュアルで楽しくわかりやすく見せてくれる博物館があります。今回はそんな「大阪歴史博物館」の見どころをご紹介します。
地上57mの10階から始まる大阪の歴史
大阪歴史博物館は、NHK大阪放送局との複合施設となっています。ドーンとそびえる巨大な建物からは、大阪城や難波宮跡が見えます。
チケットを買って中に入ったら、まずは一気にエレベーターで10階にのぼります。そこは遥か古代の大坂。年代と共に徐々に下の階へと降りていきながら、歴史をたどっていくことになります。
10階 古代の大阪「難波宮」
まず眼前に現れるのは、こちらの博物館の目玉といってもいいかもしれない難波宮(なにわのみや)の「大極殿」です。復元された原寸大の広間では、整列した官人たちが儀式の真っ最中。スクリーンではその儀式の詳細を説明してくれています。
大極殿を支えるのは朱塗りの柱。直径70cmあるそうで、圧巻のインパクト。人形たちの後ろに立っていると、自分も参加しているような感じを味わえます。独特な雰囲気の空間は、1人っきりだとちょっと怖いかもしれませんね。
難波宮は、前期と後期に分かれています。652年に完成した前期の宮殿です。かの有名な大化の改新後の政治が行われたのが、こちらの宮殿になります。
前期の宮殿が焼失したため、そのあとに後期の難波宮が建てられました。奈良大仏を作った聖武天皇の時代で、平城京とその時代が重なっています。何度も遷都が繰り返された複雑な時代だったのがうかがえます。
こちらの階では、難波宮近辺から発掘された出土品の数々が展示されています。古代の中心地であったことをうかがわせる、当時の高水準の技術で作られた物たちが集まっているのでしょう。
9階 中世、近世の大阪
大阪城が建つ前、この地にあったのが「大坂本願寺」であったことはご存知でしょうか。織田信長と壮絶な戦いを繰り広げた巨大な本願寺の模型や、秀吉が整備した大阪の町並み、そして徳川の時代になり天下の台所といわれた経済都市大阪を、パネルやミニチェアなどで楽しく再現してくれます。
特にミニチェアは必見の巧妙さ。町並みや家の間取りはもちろんのこと、そこで暮らす人形たちが実に活き活きと生活していて、かつての大阪を表現してくれています。
日中と夜とのライトアップが交互にやって来ます。こちらは夕暮れの町。
何やら物語がありそうな展開も、あちこちに。
大阪といえば道頓堀。かつて芝居小屋が連立し、にぎわった頃の大阪難波の様子も見ることができます。