3. 優待内容の改悪(ヴィレヴァン・ハーバー研究所・全国保証・ライドオンエクスプレス)
これまでの優待内容(利回りや使い勝手など)がより低下する場合をいう。
ヴィレッジヴァンガード <2769>
もともと1万1000円相当の商品券を制限なく使用できたが、改悪後は1万円の商品券を2000円ごとに1000円使用可能という制限がついたものに変更。
優待をすべて使い切るには、追加で1万1000円を支払う必要が生じるため優待投資家から嫌気されて、株価はその後下落の一途をたどっている。ヴィレッジヴァンガードの場合、そもそも業績が悪く、優待目当ての投資家の買いが多かったため改悪のインパクトは大きかったようだ。
ハーバー研究所 <4925>
1万円相当の割引券を制限なく使用できたが、改悪後は2000円ごとに1000円使用可能という制限が付いた。先ほどのヴィレッジヴァンガードの例とそっくりだが、特筆すべきは改悪後の株価下落のパターンの仕方も、ヴィレッジヴァンガードにそっくりな点だ。
ただし、ヴィレッジヴァンガードとは異なり、ハーバー研究所は業績が良いため、下落が止まった後は買い戻しが進み、現在は株価下落前の水準まで株価が盛り返している。業績が悪くない場合には、株価の改悪は、絶好の買い場になる好例だといえる。
全国保証 <7164>
もともと、5000円のクオカードか、5000円相当の特産品の選択であったが、1年間保有しないと優待をもらえなくなった。代わりに、1年未満だと3000円相当のクオカードとなった。全国保証の場合には優待改悪による影響はほとんどなく、株価は堅調に推移していた。もともと優待銘柄というよりは、好業績を見据えた成長株としての側面が高かったため、優待改悪による影響は限定的だったといえる。
ライドオンエクスプレス <6082>
ライドンエクスプレスは最近、5000円の食事券を2500円へと改悪した。実はこれには背景がある。ライドオンは以前、株式を2分割しているのだが、その時に優待を据え置いた経緯がある。つまり企業側が、優待を据え置いても業績は好調だと判断したうえで、分割にともない優待を拡充していたのである。
しかし、分割後に優待目的に株を購入した投資家にとっては文字通り、大改悪になってしまった残念な例といえる。さきほどのアクトコールの例でも分割に伴った優待の措置を取り上げたが、本来であれば分割に比例させた優待価値の減少が正しいあり方といえそうだ。
成果を上げるには「変更への気配り」が必要
ここまで見てきたように優待の変更にはいろいろな形がある。優待変更は、変更されたらそれで終わりでなく、その後の株価の値動きにも強い影響を与える。優待投資をする上では、変更にもしっかりと気を配っておくこと。それが優待投資の成果を上げるための重要な要素である。
文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online
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