3. 値上がり利益重視なら「業績判断」

最後に株主優待をもらって楽しみながら、値上がりによる利益も得たいという投資家のための基準が業績判断である。企業業績が伸びればそれに伴い株価も上がる。これは、株主優待目的でない投資家の買いも多く流入するからだ。

一般に業績期待で買われる局面には以下のパターンがある。

(1)株価が業績に対して割安である(PER、PBRの数値)
(2)自己資本に対して利益を多く出している(ROEの数値)
(3)業績推移が堅調だ(連続増収増益かどうか?)

(1)は割安度を判断する指標を使用することで確認ができる。一般的な指標として、PERとPBRが使用されることが多い。一般に以下の数値が割安だと判断されている。

◯PER……10倍以下
◯PBR……1倍以下

この数値は業種によっても高低があるので、業種別のPERとPBRの指標を確認することをお勧めする。

【参考】
日本取引所グループ:規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧

(2)は自己資本(株主からの資本、純資産、利益剰余金といった返済する必要のない資金)を企業が使ってどれだけ純利益を生み出せているかを測るものだ。一般的には8%を超えると、効率的に利益を生み出せているといえる。

(3)は売上高と純利益が年々安定して伸びているかどうかをみるものだ。例えば東洋経済が年4回発行している会社四季報には過去数年分の売上高や純利益の実績、今期と来期の2期分の予想数値が載せられている。

売上高と純利益が両方共も安定して増えている株式を見つけることができる。

バランスよく3つの基準を使い「銘柄リスト」の作成を

ここで紹介した3つの基準を使って株主優待を選ぶことで、値下がりしにくい上、株価も堅調に推移する株主優待を選ぶことができるはずだ。ただ、この3つすべての基準をクリアするような株式は多くはないはずなので、どれか2つが揃ったら購入を検討するとよい。また3つの基準をクリアしそうな株式は相場の暴落時に絶好の買い時となることがあるので、自分の「銘柄リスト」の中にいれてウォッチしておくとよいだろう。

文・谷山歩(個人投資家)/ZUU online

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