ドルコスト平均法は「万能ではない」

確かにドルコスト平均法なら安定的で、いろいろ考える時間や手間を節約することができるだろう。月々のキャッシュフローから投資する方には適している。しかし、投資をするという本来の目的からすると、当然ながらデメリットも存在している。

価値が上昇すると見込んでいるものに投資を行う際、初期に一括で大きな金額を投入した方が、複利の効果によって増える速度も量もそれだけ大きくなるものだが、ドルコスト平均法だとこれが生かし切れない。特に、ある程度の資金を持っている場合は、それをわざわざ分割して投入してもあまり意味がない。

また、そもそも価値が下落し続ける資産の場合は、一括で投入する事に比べれば損失を減らす事が出来るが、利益を得られない。

大事なのは「長期的視野に立つ」こと

もちろん、投資はギャンブルではないから「一か八か」というような状態は絶対に避けるべきだ。投資の本来の醍醐味を味わうには、リスクの度合いを分散するという考え方も持つべきなのではないだろうか。

これらのことを考え合わせると、闇雲に何でも「ドルコスト平均法がいい」ということにはならない。投資商品を選ぶ際に、お金を投じる方法として、併せて検討すべき選択肢の中のひとつということになる。

投資をする際には、

  1. 現在地と目的地をしっかり把握すること
  2. 各市場での利回りとリスクを想定すること
  3. 時間軸、リスク度、場所を分散させること
  4. どんな情報でも、最後は自分自身で決めること が基本となる。

    これらがそろっていると、日々の経済情勢や変動にも大きく動揺することなく、本業に没頭できるはずだろう。値動きが気になって本業が手につかないというのは、投資ではなく、投機なのだ。

    文・俣野成敏/ZUU online

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