定年退職後の仕事について考えていますか。ひと昔に比べると、定年退職後も多くの時間が残されています。仕事をリタイアして、趣味やボランティア活動を行うのもいいですが、老後の生活費を考えれば元気なうちは働いておきたいですよね。年齢に関係なく求められる人材になるために、40代のうちからできることを3つご紹介します。

自分の実績をまとめ、強みを分析する

(写真=PIXTA)

新卒で就職試験を受けたとき、「あなたのアピールポイントは何ですか?」と聞かれた記憶があると思います。この質問は、定年後の就職でも転職活動でも同じように聞かれます。「40代の時点で実績もあるし、スムーズに答えられる」と考えているかもしれませんが、この質問に流暢に答えられる人は意外に少ないものです。

定年退職後、今まで勤めていた会社ではなく他に勤め口を探すのであれば、40代の今のうちから、これまでの職歴や職務を書面にまとめることをおすすめします。転職経験者は作成したことがあると思いますが、職務経歴書を作成するのです。これは、今までの職務・職位、携わったプロジェクト(実績)を時系列にまとめたもの。

職務経歴書を作成することで、今までの仕事を客観的に見ることができ、自分のアピールポイントがわかってきます。40代のうちに一度まとめておくことで、自分が持っている強みや弱み、これから進みたい道もわかってきます。これらを職務経歴書とは別にまとめておけば、「アピールポイント」の質問に窮することもありませんし、再就職先を選ぶ際の指針にもなってくれるでしょう。

再就職時に武器になる資格を取る

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再就職時までに用意しておきたいのが、武器になる資格。この資格は「自分は再就職でどのような職種に就きたいのか」を考えて、選ぶ必要があります。何でもいいから資格を取るという方法は、賢明ではありません。

例えば、経理関係の職種を希望しているのに、英検や漢検などの全く関係のない資格を多く持っていても、意味がありません。経理なら、「日商簿記2級」などの業務に関連する資格が欲しいところです。

独立・開業もできる資格を目指す場合は、自分が向いている分野の分析と資格取得費用を考えておきましょう。独立・開業は、資格取得後が正念場です。自分がどの分野に興味があるか・向いているかを熟考しましょう。先ほどアドバイスさせていただいた職務経歴書の作成と強みの分析が役に立ちます。向き・不向きの分析は、自分が高校、大学で専攻した分野などもヒントになるかもしれません。

また、独立・開業系の資格は、他の資格試験よりも一般的に難しく、独学ではなかなか合格できないことに注意しましょう。通信教育や資格の専門学校を利用すれば費用もかかります。資格取得までにかかる費用も考えておきたいですね。

もし、あなたが定年退職後に同じ会社に再雇用される予定があるか、同じ業界に転職希望なら、今までのキャリアを生かし、より深い知識やスキルを身に付ける資格の取得が一番おすすめです。

例えば、経理の実績があるなら公認会計士の資格取得を目指す、総務歴が長いなら社会保険労務士の取得を目指すといったパターンが考えられます。取得する資格の内容は、今まで培った実務に直結していますから、試験勉強はそれほど苦にならないはずです。