まとまった資金である賞与を元手に、資産運用を始めたいと考える人も多いはず。しかし、転職などでの退職時期によっては賞与がもらえない可能性があります。この記事では、退職時に賞与をもらうための注意点や、資産運用の始め方、具体的な運用方法を解説します。

退職で賞与をもらうには?

退職時に賞与を受け取りたいなら、2つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント1.退職前に賞与の規程を確認

会社の賃金規程(給与規程)によって、賞与をもらえる条件が定められています。「賞与支給日に在籍していること」や「○月末日時点で会社に在籍していること」など、会社ごとの規程によって、賞与を受け取れるかが変わってきます。そのため、賃金規程は事前にしっかり確認しておきましょう。

ポイント2.退職時期に注意

賃金規程を確認した上で、要件を満たすよう退職時期を調整する必要があります。退職を考え始めたら、賃金規程を調べ、退職時期を上司に申し出ましょう。賞与支給の条件を確認し、逆算した上で退職時期を決めることが大切です。

賞与をつかって投資するなら、分割して積み立てよう!

賞与を手にすることができたら、投資のリスクを減らすため“一括”ではなく分割して“積立”で運用を始めましょう。初めて投資をする人は、投資のリスク=怖いこと、と考えている人も多いかもしれません。

しかし投資におけるリスクとは、正確には成果の振れ幅がマイナスにもプラスにもあるということです。損失が小さければ利益も小さいということになります。自分がどこまでリスクを許容できるかを考えるのと同時に、リスクを抑えて運用することが大切です。

とくに初心者の人は長期的に分散して積み立てることが重要と言われています。そこで、例えば30万円の賞与を手にできた場合、一括で30万円を投資するのではなく、半年分(6等分)もしくは1年分(12等分)などに分割して、毎月5万円(もしくは2万5,000円)を運用するイメージです。

このように毎月コツコツと積み立てて運用することで、リスクをおさえ、投資の経験を増やしていくことができるでしょう。

初心者は「つみたてNISA」 や「iDeCo」を利用しよう

リスクを抑えるのと同時に、これから資産運用を始めたいという人は、税制優遇制度を利用するといいでしょう。投資で得られる利益には一般的に投資益に対して約20%の税金がかかりますが、これらが非課税となる制度や、所得税や住民税を節税できる商品があります。

ここでは長期・分散・少額の投資によって資産形成を目指す方法の例として「つみたてNISA」 と「iDeCo」について詳しく解説していきます。それぞれの特徴をまとめたので、自分に合った方法を選びましょう。

「つみたてNISA」とは?メリット・デメリット・注意点

つみたてNISAとは、毎年40万円までの投資で得た運用益が非課税になる個人投資家のための「少額投資非課税制度」です。最長で20年間は運用益が非課税になります。

毎月決まった金額が自動的に引き落とされるため、買い付けの手間なく投資でき、忙しい人にとっても無理なく継続できるでしょう。

つみたてNISAの注意点は、元本割れのリスクがあることです。投資である以上、元本割れリスクをゼロにすることはできません。余裕資金で無理のない金額を積み立てることが大切です。

「iDeCo」とは?メリット・デメリット・注意点

iDeCoとは、自分で掛け金を積み立てる私的年金制度です。国民年金などとは違い、自分で投資商品を選択し運用しながら年金を積み立てます。

iDeCoの最大の特徴は、3つの税制メリットです。まず、掛け金が全額所得控除になること。次に運用益が非課税になること。最後に、受け取り時にも一定の金額まで税金が優遇されることです。節税効果が大きいことから、より効率的に資産形成ができるでしょう。

ただしiDeCoは、原則60歳まで資産を引き出すことができません。そのため、短期的な資産形成には向いていません。また、元本確保型の商品を選んだ場合を除き、iDeCoにも元本割れリスクがあるので注意しましょう。