2015年の国連サミットにて「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられたことで、「サステナビリティ」への関心が世界的に高まってきています。「サステナビリティ」とは「持続可能性」という意味の言葉。“今”だけでなく“将来的にも良い状態・環境を持続していく”という地球環境保全の視点から使われ始めた言葉ですが、最近ではビジネスの場においても重要な考え方になっています。

この流れはファッション業界においても同じ。リーズナブルに最新トレンドのアイテムを買えるファストファッションは変わらず人気ですが、着なくなった服を実店舗で回収・再活用する企業が増加しています。

ファーストリテイリング 全商品リサイクル活動

不要になった自社ブランドの製品を世界各国の店舗で回収し、場所や形を変えて再利用する――。そんな「全商品リサイクル活動」を実施しているのが、ユニクロやGUを傘下に収めるファーストリテイリングです。

“服が持つ価値を最後まで活かす”ために、2006年から支援活動をスタートしました。回収した衣類のうち、着用可能なものはそのままリユース。

対象地域の気候やニーズを踏まえて、被災者や難民などに衣類を届けています。これまで、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と共にアフリカ9ヵ国に衣類を届ける「アフリカに300万着届けよう」をはじめ、さまざまな活動に取り組んできました。

活動がスタートしてから約13年、2019年8月末までの回収実績は9,079万点。そのうち3,657万点が、アフリカや中東など72の国と地域で暮らす人々のもとに渡りました。リユースできないと判断された衣類は、固形燃料に加工して無駄なく活用されています。

日本のファストファッションを代表するユニクロやGUの商品は、毎年何かしらのアイテムを買い足すという方も多いのではないでしょうか。増えすぎた服を「断捨離」する際の選択肢として、この「全商品リサイクル」は覚えておきたい取り組みです。

ちなみにGUを通してリサイクル活動に参加すると、クーポンと交換できるアプリポイントがもらえるのだとか。GUを利用することが多い人にとってうれしい特典ですね。

Gap 衣服リサイクルプロジェクト

衣料品チェーンのGap(ギャップ)が実施しているのは、認定NPO法人ブリッジエーシアジャパン(BAJ)との共同による「衣類リサイクルプロジェクト」。

スタート以来、毎年3月~5月の期間に3店舗を除く全国の実店舗にて衣類を回収しています。集めた衣類はBAJが実施中のプログラム「フルクル」を通して、リサイクル業者に売却。収益はミャンマーとベトナムでの支援活動にあてられます。

リサイクルしたい衣類がある場合は、各店舗のレジで手渡ししてください。Gapブランドではない衣類も回収してもらえるため、まとめて回収を依頼したいときにいいでしょう。

アクセサリーやバッグといった衣類以外の品物は回収しないためご注意を。季節もの、大人・子ども用といった条件はなく、シミや汚れがある、あるいは一部が破れている場合でも、程度によってはリサイクルの対象になります。