ところで、なぜマツタケはあんなに良い香りで、美味しいのでしょうか。

 

マツタケの香り成分は、1938年に農学博士の岩出亥之助により解明され、
「マツタケオール」と「ケイ皮酸メチル」からなると言われています。
※特にマツタケ特有の香りを生んでいるのは「ケイ皮酸メチル」。

 

確かに、このマツタケ独特の良い香りを生かした、松茸ご飯や土瓶蒸しって最高ですよね…。

 

 

続いて、マツタケのうま味についてです。

マツタケには、「グアニル酸」といううま味成分が含まれています。
「グアニル酸が」豊富に含まれているために、美味しい!と感じるのです。

(参考:うま味は100年前に日本人が発見!~うま味成分と合わせダシの秘訣~)

 

こんな一見すると良いところしかないようなマツタケがですが、実は弱毒菌なのです。

※マツタケのアミノ酸が有毒成分の「ヒスタミン」、「フェニルエチルアミン」に変化します。
そのため、過剰摂取や古いマツタケを食べると嘔吐や激しい下痢などの中毒症状を引き起こすことがあると言われています。

 

非常に高価なキノコなので、通常量では問題ないですが、多量摂取には注意しなければいけません。

 

 

「イボテン酸」が含まれる「ベニテングタケ」とは?

 

よしっっ、やっっっっと!!マツタケよりも美味しいキノコの話をします。

 

マツタケよりも美味しいキノコは、「ベニテングタケ」と呼ばれるキノコです。↓↓↓

 

もうこれはどっからどうみてもマ〇オのキノコにしか見えませんねぇ…。

 

この「ベニテングダケ」は、「マツタケ」よりも美味しいと言われる理由は、
「イボテン酸」といううま味成分が多く含まれているからなのです。

 

この「イボテン酸」は、昆布などに含まれる「グルタミン酸」の10倍ものうま味を呈しています。

※ヒトがうま味を感じる最低濃度は「グルタミン酸ナトリウム」の場合、約0.01~0.03%。
「イボテン酸」は0.001%~0.003%と言われています!

 

つまり、この「イボテン酸」を含むキノコは、うま味調味料を振りかけたような味だそうです。

 

し、か、し!!

 

非常に残念ながら、この「ベニテングダケ」は絶対に食べてはいけないのです。

 

なぜなら、「イボテン酸」は、不安定な性質で、
50度から60度で脱炭酸し「ムッシモール」へと変化し、
それがGABA受容体に結合、
神経伝達物質の放出頻度を落とし、脳の働きを不活発にするからです。

その結果、興奮と抑制が同時に起こり、幻覚などの複雑な中毒症状に陥ってしまう、
とされています!

 

この効果を踏まえ、ハエの捕殺に利用されたり、
さらに古くはシャーマニズムの儀式に用いられたり、
薬物の代用、蒸留酒と混ぜて戦いの士気高揚のために飲まれていたようです。

 

 

いやぁ、「ベニテングダケ」は非常に恐ろしいキノコですねぇ…。

 

そんなこんなで、「マツタケ」よりも美味しいキノコは存在するが、
絶対に食べちゃいけない!
という結論になりました。

 

 

食欲以外もスポーツの秋!読書の秋!芸術の秋!とも呼ばれる秋…。

でもやっぱり秋といったら食でしょう!と言うそこのあなた!!!大丈夫です。

秋はキノコをたくさん食べて、いキノコろう!!!!(毒キノコには気を付けましょうね。)

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本日のまとめ
・「ベニテングダケ」に含まれる「イボテン酸」は相当美味しい
・「イボテン酸」は「ムッシモール」に変化し強い中毒作用を起こす
・マツタケってまったけぇ~って感じであんまり手が出ません
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提供・味覚ステーション

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