働き方や生活スタイルが変化し、共働き夫婦の世帯が増えています。お互いに忙しく働いていると、夫婦間でのすれ違いが増えやすくなるでしょう。場合によっては離婚を考えてしまうこともありますが、夫婦で解決できる問題なのであれば、できるだけ離婚は避けたいものです。

今回は、共働き夫婦が離婚に至る原因と、離婚を回避するためにできることを紹介します。離婚するべきかどうか悩んでしまったら、ぜひ参考にしてみてください。

共働き夫婦のよくある離婚原因

共働き夫婦が離婚に至る場合、どのような原因があるのでしょうか。家庭の数だけ事情がありますが、一般的に共働き夫婦に多く聞かれる離婚原因を紹介します。

生活がすれ違いやすい

夫婦がそれぞれ働いている共働き夫婦は、生活がすれ違いやすくなります。同程度の忙しさや勤務時間であればよいのですが、多くの場合は夫の方が帰りが遅くなりがちです。

夫婦で予定が合わない、休日がずれてしまうなど、コミュニケーションが取りづらいこともあるでしょう。生活がすれ違うことで、些細なケンカが増えたり、ゆっくりと話し合う時間が取れなかったりして、夫婦の溝が深まってしまうこともあります。

働き方が柔軟に変わりつつある現代では、男性だけではなく女性も忙しく働く場面が増えています。忙しい毎日のなかでも、なるべく夫婦で会話をする、意識的に休日を合わせるなど、夫婦関係を円満に保つためにちょっとした工夫が大切です。

育児・家事負担で不満を抱きやすい

男性の中には、「家事や育児は女性の仕事である」という考えを持っている人は多くいます。母親が専業主婦だったなど育ってきた環境にもよりますが、共働きであってもそのイメージが定着していることもあります。夫がそのような考えを持っていると、多くの場合は妻の負担が大きくなるでしょう。毎日の仕事に加え、家事・育児に追われてしまうと、自分の時間はほとんどありません。

朝から晩まで忙しく動き回っていると、身体的な疲れだけではなく、精神的なストレスも大きくなります。男性の方が仕事も忙しくなりがちですが、忙しいからと妻に任せっきりにせず、夫ができる家事を探すなどの意識が必要です。完全な公平は難しくても、少しでも負担を軽減できるでしょう。

人生プランにズレが生まれやすい

専業主婦の場合、子育てに時間が割きやすいため、出産するタイミングをある程度選ぶことが可能です。しかし、共働きの場合では、出産や子育てにより妻のキャリアプランが大きく変わります。ある程度人生プランを話し合っていたとしても、職場や上司から少し待ってくれと言われてしまうこともあるでしょう。妻の職場によっては、女性社員の退職・休職を防ぐために、出産が順番待ちになることもあるのです。

特に20代の若い時期は、勤務年数やスキルにより、出世したり仕事を任されたりと環境が目まぐるしく変化します。夫婦間でもお互いのキャリアにより、子どもが欲しいタイミングにズレが生じてしまう可能性もあるでしょう。

互いに収入があるため離婚のハードルが低い

共働きの場合、夫婦それぞれにある程度の収入があります。お互いに収入があり自立していると、離婚しても自立して暮らせる基盤があるため、離婚へのハードルが低くなりがちです。離婚後の金銭面に不安を抱える必要がなければ、その分離婚を思いとどまる条件が少なくなるでしょう。

また、共働きは世帯収入が高く貯金しやすくなる半面、財布を別々にしていて互いの収支や貯蓄を把握していないこともあります。

そのため、いざ蓋を開けてみれば予想よりも貯蓄が少なかったという可能性もあるでしょう。共働きでも収入をお互いに把握し合うことはとても大切なことです。後々トラブルとならないよう、定期的に家計について話し合うことをおすすめします。

離婚する前に考えるべきこと

忙しい毎日のなか、ふとしたきっかけで離婚が頭をよぎってしまう人は多くいます。離婚を決める前に、まずはいくつかのポイントを考えてみましょう。

本当に「離婚」以外の道はない?

一度離婚を決意してしまうと、それ以外の道はないと思いがちです。しかし、本当に離婚する以外に方法がないのかどうか、改めて考えてみましょう。抱えている問題の原因と解決方法を洗い出してみます。自分が何を不満に思っているのか、どのように改善したいのかなど、考えをまとめてみることが大切です。決定的な価値観の違いや不倫などではない限り、解決の糸口が見つかるかもしれません。

選択肢の中から一旦離婚を外して、まずは関係修復を目指すことから始めるのがおすすめです。

相手と十分に話し合った?

共働きで忙しく働いていると、話し合いの時間を取れていないケースが多くあります。自分は話し合いたくても相手が応じてくれない、顔を合わせる時間がないといった場合もありますが、まずは「離婚を考えているほど悩んでいる」という状態を理解してもらうとよいでしょう。大抵の場合、相手はそこまで悩んでいると気付かないケースが多いため、悩んでいる問題を相手と共有することが重要です。

きっかけを作る際は、話し合いたい事情、内容などを手紙やメールで伝えてもかまいません。また、ホワイトボードやノートにメモを取って記録を残しながら話し合うと、感情的になることなく、建設的な話し合いができます。

子どもへの影響は?

離婚を考えた際、一番気になるのはやはり子どもへの影響です。もしご家庭に子どもがいた場合、離婚することによりどのようなメリット・デメリットを子どもに与えるのかも冷静に考えておく必要があります。子どもの年齢や状況にもよりますが、結果として子どもを傷付けることにならないか、親権はどちらが取るのか、金銭的な問題はないかなどを考えてみましょう。

離婚は夫婦間の問題ですが、子どもにも少なからず影響を与えるものです。また、子どもは大人が思っているほど未熟ではなく、たくさんのことを学び、考えながら成長していきます。子どもの将来まで考えたうえで、離婚が最適かどうかを検討することが大切です。

離婚せずに関係を改善できるのが一番◎

一度離婚しようかと思い立つと、そればかりを考えてしまうでしょう。しかし、やはり離婚せずに関係を改善できるのであれば、再構築をするに越したことはありません。離婚すると、精神的にも経済的にもデメリットとなり、子どもの将来へも影響します。収入があるから自立していけると考えても、子どもがいる場合は思っている以上に費用がかさみますし、金銭的な不安やストレスにも繋がりやすくなります。

やむを得ない事情がないようであれば、できれば離婚をせず、やはり夫婦仲を改善するのが望ましいでしょう。