社会人になり、自分で稼いだお金を好きなように使える喜びを感じている20代は多いのではないでしょうか。一方で、「将来に対して不安もあるし、貯蓄もしないと……」と悩む人も少なくないでしょう。そこで今回は、20代女性の貯蓄事情と、効果的な貯蓄の始め方について詳しくご紹介します。

20代女性の収入はいくら?

国税庁が発表している「民間給与実態統計調査結果(平成30年分)」によると、女性の平均年収(手当・賞与など含む)は次のとおり。

【女性の平均年収】

  • 20~24歳 249万円
  • 25~29歳 326万円

この数字を基準にして単純に12ヵ月で割ると、平均月給はそれぞれこのようになります。

【女性の平均月収】

  • 20~24歳 20万円強
  • 25~29歳 27万円強

20代ではこの金額であっても、女性の平均給与は20代後半をピークに30代以降はわずかに減少傾向を示しています。ライフステージによって働き方が変わりやすい女性は、年齢が上がるにつれて平均給与で男性に大きく差をつけられてしまっているというのが現状なのです。

みんないくら貯蓄してるの?

就職を機に一人暮らしを始める人も多いなか、毎月のお給料で生活するだけでも大変という人もいるでしょう。20代女性は実際にどの程度貯蓄ができているのでしょうか。平均値を見てみましょう。

20代女性の平均貯蓄額は104万円!

SMBCコンシューマーファイナンスが20歳~29歳の男女1,000名を対象に行った「20代の金銭感覚についての意識調査2017」によると、20代の平均貯蓄額は女性が104万円、男性が163万円でした。

また、20代の男女を合わせた貯蓄額の平均値は133万円、中央値は25万円です。

「中央値」とは、調査結果の数値を順番に並べてちょうど真ん中に位置する値のことです。平均値を参考にすると貯蓄がたくさんある一部の人に数値が引っ張られてしまうため、中央値のほうが実態を表しやすい数値と言えるでしょう。

貯蓄ゼロの20代は4割以上も

一方、金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和元年)」によると、「金融資産を保有していない」と回答した20代男女は実に45.2%にものぼります。

半数近くの人が貯蓄できていない現状が浮き彫りになりました。

20代女性はなぜ貯蓄が必要なのか?

食事やショッピング、交際費など何かと出費がかさむ20代女性。一方で、これからむかえるさまざまなライフイベントのことを考えると、貯蓄の必要性もひしひしと感じていることでしょう。

そこで20代女性がお金を貯めなくてはならない理由について考えてみましょう。

結婚資金のため

近い将来結婚したいと考えている20代女性も多いのでは?しかし結婚自体にも、結婚生活を始めるにも、何かとお金が必要です。

結納や婚約の食事会、挙式・披露宴、ハネムーンなど、人生の一大イベントである結婚にはさまざまな場面で資金が必要となります。さらに、新居に引っ越す必要がある人もいるでしょう。

結婚相手の男性や両親が援助してくれるという人も多いかもしれませんが、いざという時に困らないよう自分自身も貯蓄しておきたいものです。

出産・子育てのため

将来的に出産を希望しているなら、子育て費用の準備についても考えなければなりません。

明治安田生命が0~6歳までの子供がいる既婚男女1,100人を対象に行ったアンケート結果によると、子育てに足りない金額の平均は月に約2万円という結果が出ています。それを反映してか、7割以上の女性が子供の教育のために、計画的な積み立てがもっと必要と感じているようです。

出産や子育ては結婚のさらに先のことなので、今はピンとこない人も多いかもしれません。でも子育てには思っている以上にお金がかかる、ということがこのアンケートからもわかりますね。

プライベートの充実のため

未来のために貯蓄することも大切ですが、趣味や旅行、仕事を頑張った自分へのご褒美などのためにお金を貯めることも、立派な貯蓄の目的です。

たとえば「海外旅行を目標に20万円貯める」など具体的な目標があることで、日々の生活も充実することでしょう。プライベートを充実させるための貯蓄計画を立て、メリハリのある生活を楽しみたいものです。

将来への投資資金のため

人生100年時代と言われている現代では、老後資金は少しでも早いうちに準備を始めるに越したことはありません。

バブル時代を知らない20代は、生まれた頃から長期不況の中で過ごしており、将来への漠然とした不安を持つ人も多い世代。とりわけ少子高齢化によって将来の年金がどうなるかわからない中、20代のうちから老後資金について考え、iDeCoやNISAなどを始める人もいるようです。