置くの敬語表現は?
置くの尊敬語は「置かれる」
置くの尊敬語は『置かれる』です。置くの未然形に「~れる」を付けて『置かれる』という形で書き、語られます。間違った表現や、意識して意味の違う表現は受け身の形になります。頻繁ではありませんが尊敬を表す文言として使用されています。
尊敬語は、相手や話題に関係のあることに敬意を表す言葉です。後述する謙譲語と違い、相手の仕草や所持品、状態に対して用います。自分と相手の関係性の違いも大切です。仕事の場面では、お客に対して自分が勤めている会社の社員を呼ぶ場合は、役職名で呼んだり尊敬語で表現せずに、苗字で呼び捨てにします。
置くの丁寧語は「置きます」
置くの丁寧語は『置きます』です。丁寧語は語尾に『ございます』『です』『ます』などをつけますが、動詞である”置く”の連用形”置き”に助動詞の『ます』を末尾につけ加え『置きます』とします。
丁寧語は、相手に丁寧に伝える敬語で、敬う思いを相手に伝えます。丁寧語は『ます』『です』を付けますが、普段から会話の中で使われ、相手を選ばずに使用する敬語です。2重に使用されやすく「二重敬語」といった度を過ぎた表現になると印象を悪くしてしまい、逆効果になります。
二重敬語は「拝見させていただきます」や、「先生がお帰りになられました」になります。「拝見します」、「先生が帰られました」が正しい表現です。このように過度な表現は文章が長くなり、何が言いたいのか伝わらなくなってしまったり、相手に違和感を与えてしまいます。
置くの美化語はありません
置くの美化語はありません。美化語は原則として、訓読みには「お」を、音読みには「ご」を付けます。例えば、”お車”、”お寿司”、”お体”、”ご就寝”、”ご来場”、”ご本”などです。『置く』は訓読みなので、「お」をつけことになり、『お置きください』は敬語ですが、一般的ではありません。
美化語は昔から使われていた表現ですが2007年に敬語の一種になりました。欧米やその他の言語には見られない日本ならではの情緒の深さを感じさせるものです。日本語を勉強している外国人には理解しがたい表現方法です。日本人でさえ美化語を間違って使うケースがあります。
美化語には、言葉の前に「お・ご」をつけるものがありますが、『水』は『オヒヤ』、『腹』は『おなか』などのように変化する言葉も美化語の一種です。
置くの謙譲語は「置かせていただきます」
置くの謙譲語は『置かせていただきます』です。自分を下げることで、行動の目的となる人を持ち上げる(敬う)表現です。『お』(ご)+動詞+「する」で謙譲語に表現できるものもあれば、言葉自体を変えて謙譲語になるものもあります。
謙譲語とは自分を低く表現する言葉です。謙譲という言葉は「謙遜」や「控えめ」の意味があります。使い方は目上の人や会社の上司に対しても使いますが、自分の行動や状態をへりくだった表現にし相手を立てる時に使います。動詞では、「する」を「いたす」に、「貴社」を「弊社」のように違う言葉を使うことがしばしばです。
”置く”は五段活用動詞の未然形にすると、”置かない”になり、この”ない”の前の語の母音が”あ”になるので「せていただく」をつけて『置かせていただく』となります。”紹介する”の未然形は”紹介しない”で母音が”あ”にならないので、『紹介させていただく』となります。
置くの敬語表現の使い方・例文は?
置くの尊敬語の使い方・例文
敬うべき人物が”置く”ことをする時に尊敬語の「置かれる」を使います。受け身は「教科書が机上に置かれました」になります。尊敬語は「先生が教科書を机に置かれました」です。主語によって受け身に、尊敬語にかわります。主語が物であれば受け身に、主語が人物であれば尊敬語になります。
『置かれる』は敬語としてではなく、違う表現にも使います。「気が置かれる」は”落ち着けない”という意味で、「一目置かれる」は受け身であり、自分が感じることではなく身の周りで認めるような力量に敬意を評し、一歩譲るという意味です。
置くの尊敬語の例文
- 先生は今後この大学に籍を置かれます
- 社長が領収書をここに置かれました
- 会長、帽子をここに置かれますか
置くの丁寧語の使い方・例文
『置く』の丁寧語である『置きます』の使い方は、話を聞いている相手や文の読み手へ敬意をあらわします。自分の行動を丁寧語にすると「明日はそこに置く」は「明日はそこに置きます」ですし、自分以外の行動でも「明日はそこに置きますか」と丁寧語表現ができます。尊敬語や謙譲語と違い、語尾の変化で表現できます。
丁寧語は、尊敬語や謙譲語などと組み合わせて使われることが多々あります。そんなわけで敬語の中では多く使われる言葉と言えます。丁寧語だけを使うと、敬う気持ちが重くならないので、歳の近い知人や友人の友人、ご近所さんなど、非常に丁寧な言葉遣いが求められない相手に好印象を持たれます。
置くの丁寧語の例文
- 本をここに置きます
- ここに荷物を置けます(仮定形)
- 昨日着替えを置きました(過去形)
- 机上に置いておきます
置くの謙譲語の使い方・例文
置くを謙譲語で表すと『置かせていただきます』です。自分または同等か目下の人の動作を目上の方に向けて述べる時に使います。物を置く際に、ひかえめに目上の人に了解を求める意味が含まれる、『ここに置かせていただく』と表しますが、丁寧語をつけて『ここに置かせていただきます』と表現するのが一般的です。
自分の部屋で自分の物を遠慮なく置けるので、『ここに置く』を使いますが、敬う人の荷物を置く場面や、敬う人の部屋で自分の荷物を置く場合は『ここに置かせていただきます』と使います。
謙譲語とは、自分の動作を控えめに表すことにより、相対的に相手を上げる表現です。下げる対象は動作をする人なので、敬う人の行動に対して謙譲語は使われません。また、行動の向かう先が敬う人ではない場合も謙譲語を使用しません。
置くの謙譲語の例文
- 所長のお鞄、そちらに置かせていただいてよろしいでしょうか
- 部長のコーヒーカップをテーブルに置かせていただきます
- 旅行の記念写真を部長のデスクの上に置かせていただきました
「謙譲語1」と「謙譲語2」の違い
2007年までは謙譲語としてひとくくりでした。謙譲語1と、謙譲語2に分けられました。謙譲語1は対象者の所作・物に敬う気持ちを示すことです。行動の先に敬う人がいる時に使います。かたや謙譲語2は聞き手に対して話している人が、聞いている相手へ丁重に述べることです。
謙譲語1の場合、例えば「会長の部屋へ伺います」と使うことはありますが、「後輩の部屋へ伺います」はいささか違和感があります。これは【行動の先】である「会長」が立てるのに見合う相手ですが、「後輩」は立てるのに見合わない相手といえるからです。
謙譲語2は、「御社の本社へ参ります」と使いますし、「甥っ子の家へ参ります」も使うこともあります。謙譲語2は伝える相手に対する用法なので、立てるのに見合う【行動の先】があってもなくてもどちらでも使うことができます。
机上に置いておくの丁寧語・謙譲語表現は「机上に置いておきます」
机上に置いておくの丁寧語は『机上に置いておきます』です。「置いておく」の意味は”しばらくの間置いた状態にしておくこと”ですので、謙譲語表現の場合は『少しの間置かせていただきます』です。もっと長めがよろしければ、『しばらくの間置かせていただきます』です。