手続きを忘れてしまった場合は?

厚生年金から国民年金への切り替え手続きは自身で行う必要があるが、万が一手続きを忘れてしまった場合はどのようにすれば良いのだろう。

まず、自身で手続きの失念に気付いた場合は、速やかに居住地の市区町村役場の国民年金担当窓口に相談し、手続きを行う必要がある。

手続きの失念に気付かないケースもあるだろう。その場合は、国民年金機構から国民年金加入の届書が送付されてくる。各個人の年金加入記録は基礎年金番号によって管理されており、会社から厚生年金の脱退手続きが取られた後、国民年金や他の厚生年金の加入記録がない場合には、この届書が送付されるのである。

ただ、年金加入記録の照会には時間が掛かるケースも多く、国民年金の加入手続きから時間がたって届書が送付されることもある。その場合、それまでの国民年金保険料の一括納付が求められるため、思わぬ支出となるケースもある。手続きは忘れないに越したことはないだろう。

なお、手続きの失念によって、一括請求された保険料が支払えない場合や、国民年金加入の届け書を無視した場合では、その期間が年金の未納期間として取り扱われることになる。年金未納は将来の年金受給に影響を与えるため、年金の切り替えで未納期間を生まないように注意したい。

加入期間は1日でも対象に 適切な年金切り替え手続きを

日本の公的年金制度は「国民皆年金」であり、年金未加入期間は存在しないこととなっている。月末に会社を退職し、翌月2日から新しい会社での勤務が始まるといったような場合でも、月初の1日間の国民年金加入手続きが必要となる。たとえ1日であろうとも、厚生年金の被加入者となる期間があれば、国民年金の加入手続きが必要となるので、転職の際には十分に注意したい。

また、退職などによって、所得が少なくなり、保険料の納付が経済的に困難となるケースもあろう。こうした場合でも、保険料が払えないからといって、切り替え手続きを怠ることのないようにしたい。前述したように、年金加入記録は基礎年金番号によって管理されているため、切り替えの手続きをせずにやり過ごすことは不可能である。適切に年金の切り替えを行えば、それと合わせて保険料の免除や減免、猶予といった措置を取ることも可能である。切り替え手続きを怠って納付をしなかった場合には、未納扱いとなる。

自身の加入制度を把握して、年金の切り替え手続きを

就職や転職、退職など、自身もしくは配偶者の働き方が変わる際は、年金の切り替えに注意する必要がある。自身が加入する年金制度を把握しておくことが重要だ。自身の加入年金制度を把握しておけば、切り替え手続きの失念を防げるだけでなく、将来の年金受給額の計算をする際にも役に立つ。年金制度について、普段から意識している人は少ないだろうが、切り替えの節目の際には、しっかりと整理しておくと良いだろう。

特に、厚生年金から国民年金への切り替えにおいては、手続きを自ら行う必要が生じてくる。これまで会社勤めで年金は勤務先に任せっきりであったという人も少なくないだろう。会社勤めから離れれば、公的手続きを自ら行う必要がある点は、しっかりと意識しておきたい。

文・ZUU online編集部/ZUU online

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