退職金がない人の老後の備え2. 私的年金制度(iDeCo)
続いては、私的年金制度(iDeCo)で老後に備える方法をご紹介します。
iDeCoとは
iDeCoとは、加入者が自分で掛け金を支払って運用しながら積み立てていく「個人型確定拠出年金」のことです。投資信託などの金融商品を選び、月額5,000円から始められます。積み立てたお金は、原則60歳以降に一時金または年金として受け取れます。
iDeCoのメリットは3つの節税効果
iDeCoのメリットは、3つの優遇税制にあります。
1つ目に、支払った掛け金が全額所得控除できます。そのため、年収が高いほど、大きな節税効果を得られます。
2つ目は、運用益が非課税になることです。通常、投資などで得られる運用益には約20%の税金がかかります。しかし、iDeCoの運用益には税金がかかりません。
3つ目は、受け取り時に一時金で受け取れば「退職所得控除」が、年金で受け取れば「公的年金等控除」が適用され、一定金額までは税金がかからないことです。
以上3つの節税効果により、効率的にお金を貯められます。
iDeCoのデメリットと注意点
iDeCoを活用する時は、次のデメリットにも注意しましょう。
まず、iDeCoは60歳になるまで原則引き出すことができません。また、加入期間が10年に満たない場合は、受け取れる年齢が引き上げられるので注意が必要です。
また、投資信託などの商品を選べば、元本割れリスクがあることです。元本確保型の商品も選べますが、大きなリターンは期待できません。投資効果を重視するのか、元本割れしないことを重視するのか、自分に合った商品に投資しましょう。
退職金がない人の老後の備え3. つみたてNISA
最後に、つみたてNISAで老後に備える方法をご紹介します。
つみたてNISAとは
つみたてNISAとは「少額投資非課税制度」のことで、つみたてNISAで投資信託を購入すると、毎年40万円までの投資による運用益が非課税になります。最長で20年間適用できるため、最大800万円分を非課税で運用できます。
つみたてNISAでは、金融庁の定める条件をクリアした金融商品が対象なので、初心者でも安心して投資を始められるでしょう。
つみたてNISAのメリットは自由度と節税効果のバランス
つみたてNISAはiDeCoとは異なり、いつでも引き出せる自由度の高さがメリットといえるでしょう。運用益が非課税になることで、一定の節税効果もあります。
また、iDeCoでは積立ができる年齢が60歳までという制限がありますが、つみたてNISAには年齢制限がありません。何歳からでも投資を始められるのもつみたてNISAの魅力です。
つみたてNISAのデメリットと注意点
つみたてNISAもiDeCoと同様、投資である以上、元本割れのリスクがあります。iDeCoでは定期預金など元本確保型の商品を選ぶこともできますが、つみたてNISAの投資先は投資信託なので、元本が保証される商品はありません。元本割れリスクがあることも踏まえて制度を活用しましょう。
自分に合った方法で老後に備えよう!
老後に備えるには、安定的に資産形成していくことが大切です。自分にあった運用方法を見つけ、ゆとりある老後生活を実現させましょう。
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