管理会社さんは人から紹介してもらうのが一番安全

――大家さんをやっていて、心配事や大変なことはありますか?

ほぼ土地の値段で買っているので、万が一建物がなくなっても価値は変わらないです。私はあえてそういう物件を選ぶようにしています。

築年数の新しい物件だと、土地の値段に建物の値段が加わるので、建物がなくなったらその分価値が下がります。しかし、一方で新築だとローンが長く組めるというメリットもありますね。大変だなと思うことは全くないです。管理は全て管理会社さんにお願いしているので、安心ですし。
 

――良い管理会社さんの見つけ方のコツなどはありますか?

基本は紹介が良いと言われています。私も紹介してもらいました。昔お願いしていた管理会社さんは全然物件を見てくれていなくて、一度自分で見にいったときに電灯が切れていたということもありました。

不動産会社が管理会社もやっているという会社もありますが、信用できる会社かどうか、しっかり担当の方と会って決めた方が良いと思います。

不動産投資、何から始める?

――最近、不動産投資というキーワードがよく聞かれるようになったものの、敷居も高いし、どう始めれば良いかわからないという人が多くいます。そういったときには何から入れば良いのでしょうか。

私もそうでしたが、まずは本を読むことから始めるのが良いのではないでしょうか。その人のこれまでやってきた投資ノウハウを安価に学べるというのはすごいお得だと思います。

本を書いている人は、だいたいセミナーを開催していることが多いので、本を読んでよかったと思う人のセミナーに参加してみることもおすすめです。セミナーや勉強会に参加すると、不動産投資を実際にやっている人と知り合えるのもメリットですね。

大家さんをやっている友だちができると、いろいろ教えてくれたり、いい不動産会社さんなどを紹介してくれたりすることもあります。一人で勉強していると、よくわからなくなってきたり、不動産屋さんに言われたことも疑心暗鬼になってしまうことがあるんですが、先輩大家さんに会社の同僚や友人には言えないことを相談できるので、そのような環境をつくるのも良いと思います。
 

――本で知識をつけて、セミナーで知り合いを作る、ですね。

不動産投資家同士は、築年数が全く同じ物件を隣に持っていない限りはライバルになりません。たとえ隣に持っていても、戸建とアパートだったら入居者さんのターゲットも違います。だからみんな仲良くやれるんですよね。

失敗しないためには、自分の投資基準を作ること

――購入する金額が大きい分、失敗した時のマイナスが大きくなるのが怖いと思う人も多いと思います。奈湖さんが失敗しないために気をつけていることはありますか?

私の場合は、たとえ金利の上昇があったり、空室があったり、リフォーム代がかかったりしても、自己資金から持ち出ししなくてもいいように、「満室になったときにローンの返済額が家賃収入の50%を超えないようにする」というのを基準にしています。

それから建物をよくよくチェックすることですね。雨漏りしていないか、シロアリが食べてないか、建物が傾いていないか。修理する必要があったとしたら、どこにいくらぐらいかかるか計算しなくてはいけません。実は昔、雨漏りしていないと言われて買ったものが、雨漏り物件だったということがあったんです。修理代は保証してもらったからよかったんですけど、くまなくチェックすることは大事なことだなと思いましたね。

不動産投資は、人に言われたことを鵜呑みにせず、自分の投資基準をしっかり決めると失敗しづらくなります。人それぞれ何を基準にするかは異なると思いますが、まずは勉強すること、そして物件をたくさん見ること、その積み重ねが投資基準を作る上で何よりも重要ですね。

また、不動産投資を始めるときは、小さく始める方が安心です。例えば、相場が9000万円のものを1億円で買ってしまったら、その時点で1000万円の損ですよね。だったら、小さい物件を1個買ってみて、うまくいったら売却すれば良いんです。実際に利益を出せるということを実感することが、まずは大切です。