投資信託って、一体なんだと思いますか? 「投資ってリスクがあると聞くけれど、自分のお金が減らすのは避けたいな」、「お得なのか、損するのか。難しいことは分からない…」、「複雑で面倒ならやらなくてもいい」と思う投資初心者の方に向けて、今回は投資信託について簡単に説明します。
投資信託って?
少額から始められて、プロが運用してくれること
投資信託とは、たくさんの投資家が出資したお金をまとめて、プロが株式や債券などに投資して運用するという投資のひとつの方法です。運用する中で利益が出たら、その利益は投資額に応じて配分されます。
資金の運用先は、おもに株式市場や債券市場の商品ですので、値動きがあります。ここが「銀行預金」との大きな違い。値が上がればいいのですが、下がることもあります。想定から外れる動きをすることを「リスク」といいますが、投資信託は値動きリスクのある投資方法です。
ただしプロの運用に委ねていることと、少額(1万円程度)の資金から投資ができるので、投資の初心者にはオススメです。例えば、自分で株式投資をしようとすると、やはり勉強や下調べが必要になりますし、資金面でも1万円では、思うような銘柄が購入できません。
投資信託とは、自分の資産を殖やしていくための投資の方法の中でもプロに運用してもらう、少額から可能という点で敷居の低い投資方法だといえます。このため投資デビューの方におすすめです。
時間をかけたほうが資産は大きくなる
毎月一定額で購入を続けることを「積立投資」といいます。この積立投資は時間を長くかけるほどに効果を発揮します。ドルコスト平均法という手法で、選んだ商品の値が市場で高いときも買えるだけ買い、安いときも買えるだけ買っていくと、結果として効率よく安く購入できている、というものです。
投資で防ぎたいのは、「高値で予算分を全額投資すること」です。私たちは購入するときが高値なのか安値なのか、分からずに購入します。調べることで予測はできますが、未来は不確かです。積み立てる期間が長いほど、値動きリスクが軽減されますので、出来れば30年、短くとも20年は積み重ねることを勧めたいです。ぜひ若いうちから始めておくといいのです。時間が、あなたの資産形成を味方してくれます。
アメリカの投資信託は右肩あがり
アメリカのこの30年の投資信託の価格は、なだらかに上昇していて、猿が石を投げて当たった商品を買ったとしても値が上がった、つまりどの投資信託を選んでも儲かったといわれます。
アメリカでは、小学校の授業の中で投資について学びます。
資産をどう殖やしていくかを競うボードゲームを通して、いつ、なにに投資するのか、どちらが得なのかなどを学ぶのです。このため、アメリカでは多くの国民にとって投資はとても身近なものです。
日銀調査統計局が2019年に発表した資料によると、アメリカでは投資信託・債券・株式への投資資産が家計資産の52.8%です。対して日本では15%。一方で日本の家計資産の53%は預金で、アメリカでは13%。日米では預金と投資の割合が逆転している傾向がみられます。日本では、お金について学ぶ機会がなく、お金について話し合うことも少ないため、馴染みがありません。慎重な国民性もあると思いますが、「投資は騙されるもの、損するかもしれない、銀行口座に貯めておくことが安心」という投資への警戒心が生まれるのも納得です。
参考資料:日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較