つみたてNISAのデメリット

非課税と聞けばオトクに感じるが、デメリットがないわけではない。つみたてNISAでは、購入した株や投資信託などに損失が発生しても、「特定口座」や「一般口座」の利益とは損益通算を行えないというデメリットがある。

投資用の口座として、NISA口座以外に、特定口座や一般口座がある。これらの口座で投資を行った場合には、税金の支払いは必要だが、株式投資などで損失が発生した時に他の金融商品などで発生した利益と、損失を相殺できる「損益通算」を行うことができる。つみたてNISAで損失が発生しても損益通算を行えないので、損失が発生したからと安易に売却できない点には注意が必要になるだろう。

さらに、つみたてNISAでは、長期の積立や分散投資に適していることがあらかじめ投資できる金融商品の条件に定められているので、あらかじめ定められた要件を備えた投資信託、ETF(上場投資信託)にしか投資を行うことができない。決められた金融商品以外に投資を行いたい場合にはつみたてNISAを利用できないので、投資先を選ぶことが難しくあらかじめ絞ってあった方がいいという人しか利用できないだろう。

具体的な金融商品を知りたい場合には、金融庁のホームページの「つみたてNISAの対象商品」で確認することができる。随時金融商品は更新されているし、金融機関によっても取り扱い商品は異なる。自分が利用したい金融商品を取り扱っているのか、口座を開設する際には事前に確認しておきたい。

http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html

つみたてNISAには、メリットもあればデメリットもある。しかし、お金をふやしたいと考えるなら、できるだけ早くから投資を始め、お金を貯めるために働く生活から抜け出す必要がある。これから投資を始める場合には、少額から投資を行えば損失が発生するリスクを低減することができるため、つみたてNISAを活用して投資を始めれば、投資に対する不安を少しでも低減できる可能性が高い。まずは無理のない金額で投資の一歩を踏み出してみてはどうだろうか。

文・横山利香(CFTe、ファイナンシャル・プランナー)/ZUU online

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