誰しも「お金を貯めたい」「お金を増やしたい」と思いつつ、具体的にどうすればいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。しかし日常生活のちょっとしたことを意識するだけで、お金は貯まりやすくなります。例えば、旅行のタイミングを“たった1週間”ずらすだけで、出費を抑えられるとしたらどうでしょう?この記事では不要な出費を抑え、賢い消費者になるポイントをお伝えします。

商品やサービスを、通常より安く購入・利用するには?

一般的に、モノやサービスの値付け(値段の決定)は「需要」と「供給」のバランスによって変化します。これは、多くの人が欲しいと思っているタイミングからずらして商品やサービスを購入・利用することで、かかる費用を安く抑えられる可能性があるということです。具体的にどういうことか見ていきましょう。

「ダイナミックプライシング」の理解が、賢い消費者への一歩

私たちの生活に関わる商品やサービスの多くは、需要と供給の関係で値段が変動しています。

例えば、飛行機や宿などの旅行サービスは、需要が大きくなるゴールデンウィークや年末年始になると値段が上がります。またSNSやテレビ番組などで流行った商品は、需要の高まりに伴って値段が高くなる傾向があります。

反対に需要が減少して供給過多となる時期には、商品やサービスの値段が下がることがあります。平日の昼間に需要が小さくなる映画館では、「レディースデー」と銘打って平日の昼間限定で女性客の値段を下げることで、主婦層の需要を喚起しているのです。

このように、需要と供給の多寡によって商品の値段を変えることを「ダイナミックプライシング」と呼びます。需要が多い時期は値段を上げて、反対に需要が少ない時期は値段を下げるというのが、ダイナミックプライシングの考え方です。

企業の思惑を踏まえて、日頃からサービスを利用しよう!

需要が多いタイミングに商品の値段を上げることで、企業は収益を大きく増やせます。対して需要が少ないタイミングに値段を下げることで、需要を喚起して売上の減少を防ぐことができるでしょう。

また、在庫を保管しなくてはならないビジネスの場合、需要が減少すると在庫の保管や廃棄にも費用がかかってしまいます。そこで、商品の値段を下げれば在庫を減らせるため、保管や廃棄に要する費用の削減につながるのです。

以上のように、企業にとってダイナミックプライシングは、合理的でメリットの大きい値段設定の方法です。業種により多少の差はあっても、大半のビジネスではダイナミックプライシングの考え方が導入されています。

賢くお金を使いたいならば、こうした企業側の思惑を踏まえた上で、旅行や記念日のお祝いを計画するといいでしょう。人が欲しがるタイミングからちょっとずらして商品を購入することが、お得に商品やサービスを利用する秘訣です。こうした考え方は金融投資にも通じる部分があるので、日頃から意識してみましょう。