4分の3は米経営大学、MBA分野の強さでは向かうところ敵なし?

20校中15校がランクインした米国。1~11位までを独占し、MBA分野での圧倒的な強さを誇示する結果となった。1位に輝いたスローン経営学大学院は、マサチューセッツ工科大学の経営学部として1952年に発足。世界トップクラスの工科大学経営の学部だけに、経営学と技術の融合を意図する独創的なカリキュラムで知られる。

2位のハーバード・ビジネス・スクールも数々のビジネス・スクール・ランキングの上位常連校だ。世界中から優秀な頭脳が集まる伝統的な名門校のひとつである。それだけにMBA費用も年間の受講料だけで7.3万ドル とトップクラスだ。

3位のシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの母体シカゴ大学は、「理論重視」という校風を掲げ、ミルトン・フリードマン氏やポール・サミュエルソン氏など、多数のノーベル賞受賞学者や経済学者を輩出している。

高所得とトップ企業による評価は比例しない?

気になるのは卒業後の就職率だ。いくら高所得が狙えても、一部の卒業生しか恩恵を授かれないというのでは、MBA取得の魅力が半減する。

そこでビジネス情報誌「CEOWORLD」が2018年1月18日に発表した「トップ企業が雇いたいMBA卒業生ランキング 」と比較してみると、スローン経営学大学院はここでも1位だが、11位のINSEADが2位、16位のロンドン・ビジネス・スクールが4位、2位のハーバード・ビジネス・スクールが5位など、かなり順位が変わって来る。

このランキングはMBA卒業生6万人、人材採用担当者2.5万人、従業員数1000人以上の企業の雇用者4万人から回収したアンケート結果に基づいて作成したものだ。企業が即戦力があると見なすMBA卒業生の多い経営大学を順位付けしている。

他にトップ企業での就職率が高いMBA校は、コロンビア・ビジネス・スクール(9位)、レナード・N・スターン・スクール(10位)、ケロッグ経営大学院(13位)、IESEビジネス・スクール(15位)、ケンブリッジ・ジャッジ・ビジネス・スクール(18位)、フクア・スクール・オブ・ビジネス(26位)、UCLA アンダーソン・スクール・オブ・マネージメント(27位)がトップ30入りした。

高所得を狙うか、トップ企業への就職を狙うか—MBAを選ぶ際にはじっくりと検討する必要がありそうだ。

企業からの評価を重視すると、中国・香港・インドなどアジアも狙い目?

これらのランキングでは卒業してからの期間や就労分野、年齢、性別、地域など、分析したデータの詳細が記載されていない点が残念だ。いずれにせよ高所得やトップ企業への就職を希望するのであれば、米国でのMBA取得が確実ということだろうか。

しかし高所得と言っても1位と20位では1.8倍の差がある上、雇用者からの評価もそれぞれ異なる。評価の高さに焦点を置くと、フランスのINSEADやHEC経営大学院、スペインのIE ビジネススクール、IESE、ESADE、中国の中欧国際工商学院、香港の商学院、香港中文大学、インドのインディアン・インスティテュート・オブ・マネージメント・アフマダーバードもトップ30に入っている。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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