無人島にひとつ持っていくとしたらあなたはどう答えるだろうか――。無数の選択肢のなかで、回答者の根本的な価値観を試す問いだ。「愛する人」と答える人もいれば、「現金」と答える人もいる。

だがこの問いにはひとつ皆を納得させられる回答がある。「健康」だ。お金をコントロールして自分の夢や目標を達成したり、資産を築くためにも非常に重要な要素となる。

大富豪は健康?

世界に名だたる大富豪も長い下積みがあり、幾重にもおよぶトライ・アンド・エラーの歴史を経て、いまの地位を築き上げた。つまり、大富豪になるまでに必要な「時間の担保」となるのが「健康」といえる。長い闘いのなかで精神的に、あるいは肉体的に一時的な病気になることはあれど、復活して今がある人も多い。

株式相場の大暴落や、選択したポートフォリオのリターンの低さにも、負けじと闘い続けたから、大富豪になったといえるだろう。これは大富豪というようなスケールの大きな話ばかりではなく、「資産を築く」ということにも共通していえる。

「人的資本」の積み上げを意識する

食生活に気をつけて、運動して、精神的な安寧の時間を可能な限り増やす、これに尽きる。決して秘伝の奥義がある話ではない。お金を貯めるには、身体的な良好状態を維持すればという話でもない。「健康」の上位概念にあたる「人的資本」の積み上げが資産形成に大きく寄与する。

例えば、収入をあげるために仕事で成果を出すには、積極的に情報を仕入れ、自分が当事者となって動くといったアプローチが必要だ。このときの「人脈」「時間」「メンタル(精神的な健康)」等々、さまざまな要素が求められる。(実際、運動などで肉体的に自己管理ができている人は、精神的にも安定している人が多い)

人的資本にはスキルなどの要素も含まれる。たとえば30歳のときに有していたスキルが、40歳になってレベルを上げ、資産づくりに大きく寄与することがある。長期間にわたって築き上げた自己投資の成功例といえるだろう。