多くの投資家が実践している「分散投資」は、失敗しにくい“投資の王道”とも言える手法です。具体的にどんな投資の仕方で、どんな効果があるのでしょうか。分散投資を実践しやすい投資商品とあわせて紹介します。

分散投資とは?

「分散投資」は、投資する資産、地域、業種や、投資タイミングなどを統一せず、複数に分けて投資する手法です。

もし一度にまとめて1つの銘柄に投資した場合、その銘柄の価格が高いときに買ってしまったり、その後暴落したりすることがあれば、自分の資産が大幅に目減りすることに直結するかもしれません。

投資の格言で「卵は1つのカゴに盛るな」という言葉があります。1つのカゴに盛るのではなく、いくつものカゴに分けて盛っておけば、もしどれか1つをひっくり返して盛っていた卵を割ったとしても、残りのカゴの卵は無事な状態を保てます。

例えば、まったく違う値動きをするものを2つ組み合わせれば、片方が下がってしまってももう一方がそれを上回る勢いで上がっていればカバーできる可能性があります。さまざまな投資対象に複数のタイミングに分けて投資することで、投資先の価格変動リスクを抑えることができるのが「分散投資」のメリットです。

投資対象を分散することのメリット

投資対象を分散させるとは、例えば次のようなことを指します。

  • 預貯金だけでなく株式も保有する
  • 株式投資をするとき、1社(銘柄)ではなく複数社(銘柄)に同時に投資する
  • 株式投資をするとき、投資先は異なる業種から選ぶ
  • 日本株だけでなく、外国株にも投資する
  • 株式だけでなく、債券、不動産、金など別の資産にも投資する など

アセットアロケーションとは

“どのような資産”に“どのような配分”でお金を投入するのか決めることを、アセットアロケーションといいます。どのようなバランスが適切なのかは、その人がどれくらいのリスクを許容できるか、どれくらいのリターンを得たいか、また、投資に回せる金額や価値観にもよって異なります。自分に合ったバランスを自分で考えて実践することが大切です。

分散するときの注意点

分散するときはできるだけ、資産、投資エリア、値動きが異なるものを組み合わせましょう。同じ国の同じ資産で似たような値動きをする銘柄を複数そろえても、あまり分散の効果が得られません。

投資タイミングを分散することのメリット

投資対象だけでなく、投資するタイミングを分散させることも有効です。手元の資金を一度に投入するのではなく、タイミングをずらしながら少しずつ何度かに分けて投資することです。

ドルコスト平均法とは?

ドルコスト平均法とは、一定の期間ごとに一定の金額の資産を購入し続ける方法です。

投資対象の価格が上がっても下がってもずっとコツコツと同額を積み立てていくということは、高値のときには少なく買って“高値掴み”を避け、安値のときには“まとめ買い”をすることになります。この行動によって、長い目で見たときに価格変動のリスクを抑えることにつながります。

リスクを抑える効果があるうえに、実際に投資をするときには購入のタイミングをじっくり見計らう必要がなく、一度設定しておくだけであとは自動的に購入するようになりますので、とても手軽に実践できます。