あとはお決まりの「米田さんのおかげ」でドクター森下も堀内さんも改心するわけですが、結さんは堀内さんにメニューの便宜を図る、美味しいものを作る、と宣言します。

 できるなら最初からやってやれって。ついこないだ「不味い」と言われたときは真剣に取り合わず、適当なギャルテンションで丸め込んでいましたが、相手が死にかけたら「美味しいものを作る」と言い出す。あのとき、堀内さんの声に真剣に耳を傾けて対応していたら、堀内さんも病院食でお腹いっぱいになって、ウナギを寄越させることなんてなかったかもしれない。結果として、あのイカレポンチなギャル対応が失敗だったと、図らずも『おむすび』自身が告白してしまっているんです。

「病院食が不味い」と言って食べない患者に、美味しい食事を出せるのに出さなかったこと。患者の病状が悪化していることを知りながら、すぐに医局に報告しなかったこと。この2つの結さんの不始末が、今回の堀内窒息事件の発端になっています。いくら1000年に1人の顔面で圧をかけてきたところで、その事実は揺るがないんですよ。

「私たちのこと、信じてもらえませんか?」

 見てる側は堀内ほどチョロくないよ。信じられるはずもない。

 あと、患者の家族にイスを出しなさい。立たせてんじゃないよ。

翔也、床屋になる

 それはまた来週にしましょうね。ちんぷんかんぷんなものを紐解く作業というのは、エネルギーを使うもんだね。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

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