ホテル代金20%オフ、パックツアー7%オフの優待券冊子も

ANAの株主優待では、この搭乗優待のほか、ANAグループ各社・提携ホテルの優待クーポン券の入った冊子を株主1名に対して1冊発行する。こちらは、100株以上で1冊しかもらえない。

まずクーポン券の目玉となるのが、全国のANAインターコンチネンタルホテル、ANAクラウンプラザホテル、ANAホリデイ・イン(大阪難波は対象外)などの宿泊優待だ。冊子には、ベストフレキシブル料金(予約日や滞在日程によって変動するお得な宿泊料金)からさらに20%を割り引く(室料のみ)割引券6枚が付く。

優待券1枚で1室何泊でも利用できるので、ANAグループのホテルをよく使う人にはうれしいクーポン券だろう。利用除外日があるものの、ビジネス利用ならあまり問題にならないはずだ。

さらに、ホテル関係のクーポン券として、レストラン・バーでの飲食優待10%割引券5枚、婚礼の飲食代10%割引券1枚、対象ホテルでの宴会・会議の室料15%割引券3枚などが付く。タイミング次第では、婚礼の飲食優待などは、数十万単位での節約になるかもしれない。

そのほか、国内・海外パッケージツアー商品(ANAスカイホリデー・ANAハローツアー・大人のゆとり旅・ANAワンダーアース)の7%割引券が各2枚ずつ、空港内売店(ANA FESTA・ANA DUTY FREE SHOP)の10%割引券5枚、ゴルフプレー(武蔵の杜カントリークラブ・早来カントリー倶楽部)の料金優待券計7枚などの優待券が付いてくる。これらの優待券を上手に活用することで、よりお得に旅行を楽しめるだろう。

搭乗優待を使う? それともヤフオクに出品する?

では、これらのANA株主優待は、ヤフオク(「ヤフオク!」)ではどれくらいの価格で出品されているのだろうか?

出品されているのは、そのほとんどが搭乗優待を受けられる「株主優待番号ご案内書」で、1枚約3000円から。即決価格は3700円を超える位がボリュームゾーンとなっている。1枚あたり同じぐらいの値段で、複数枚セットでの出品も多い。

これを前提にまず出品側から考えてみると、1枚あたり3000円台となれば、ANA国内線に乗る予定のある人は、ヤフオクに出さずにそのまま使ったほうがお得ということになる。

しかし、国内線に乗る予定のない人、旅行日程が早くからわかっていて「旅割」などの割引運賃を利用できる人、あるいは、バニラエアやピーチ、ジェットスターなどのLCC(格安航空会社)を利用する人は、ヤフオクを利用して搭乗優待を現金化するほうがお得だ。

先の例で、「羽田-那覇」便の片道50%オフ料金が2万2900円と記したが、例えばLCCのジェットスターであれば「成田-那覇」間が片道1万円を切ることも珍しくない。料金が8000円だとすれば、搭乗優待をヤフオクで3700円で売ると、実質4300円で那覇まで飛べることになる。これは、ANA正規料金の約10分の1の価格だ。

ただし、LCCは時期によって価格が変動することに注意したい。「成田-那覇」間でいうと、ピーク時期には片道2万円を超えることもあり、その場合、搭乗優待を使ってANAに搭乗したほうが賢明だろう。

また、LCCは就航路線や本数が限られ、機内サービスも有料だ。一方、ANA国内線は路線も本数も多く、機内サービスも基本無料なので、やはり使い勝手の面で捨てがたいものがある。

ANAの搭乗優待を使うか、LCCを使って搭乗優待をヤフオクに出品するかという選択は、ケース・バイ・ケースで考える必要がありそうだ。