どうしたらいいかわからなくて、ひとりでよく泣いていました。早く決めないと就活も出遅れてしまいますし……。でも、最悪、就職は数年後でもできるなって」

◆アナウンサーではなくアイドルになった理由

久木田さん_写真4
アイドル方向に舵を切り、今では笑顔もお手のもの(撮影/長谷川唯)
 芸能方向に舵をきったものの、ジャンルとしてはアナウンサーではなく女優やモデルを志向していた。だが、声をかけた事務所の中には、フリーアナウンサーや女子大生キャスターを多く擁する事務所も。

「アナウンサー一本には絞れなくて……。誰かをひきたてることは私にはできないなと(笑)。配信のように自分で自分のことを話すのは得意なんですけどね。女優やモデルができればと思って、今の事務所を選びました」

 所属することになったスターレイプロダクションは、YouTuberやTikTokerなどのいわゆるインフルエンサー、恋愛リアリティーショー出演者などを多く擁する芸能事務所で、配信が得意な久木田さんとの相性はいいように思える。

 だが、所属後も「自分は何を売りにして生きていくのか」という悩みは続いていく。

「自分の強みがミスキャンパスグランプリであることくらいしかなくて悩んでいました。ちょうどその時期に事務所でアイドルを作ります、という話が持ち上がって、メンバーに誘われました。それが『衛星とカラテア』でした。

 むかし友人に『山下美月さんに似てるから乃木坂46受ければ?』と言われたこともありましたが、これまでの自分の人生でアイドルになるという選択肢を持ったことはまったくなくて。でも、お仕事を選んでる場合じゃない、やってみないとわからないと思ってアイドルになることにしました」

 アイドルは幼い頃から目指す職業、というイメージは一般に強いかもしれない。久木田さんは10代の頃からその素質はあったものの、職業としてアイドルを目指していたわけではなかった。