齋藤大作さんも小学生のころからいじめ、不登校、暴力、非行、児童養護施設への入所といった経験をしてきた。「読み書き」のできなかった彼は20歳を過ぎてから定時制高校に入学し、そこで出会った教員とともに過去を振り返り、「自分史」を綴ることで「言葉」や「差別」に目覚め、未来に向けた夢や目標を抱くようになった。

そして現在、自身がかつて入所していた児童養護施設の職員として、「血がつながっていなくても家族」をモットーに、子どもたち一人ひとりにとことん寄り添いながら「自分史」づくりを支えている。

「誰にとっても、独りで考え、問題に向き合うということはとても難しい。だから常に寄り添い、話を聞き、共感してくれる存在が必要となるが、子どもには触れられたくない部分や向き合いたくない部分もある。そういう部分にも目を配れる存在となれるか否かが、施設職員に求められている技量のように思える」と主人公の齋藤大作さんは語っている。

「貧困」と「孤立」が広がる社会において、読者は同書の登場人物たちから様々なことを学ぶだろう。特に、失敗や挫折の「当事者」が語る言葉は、不登校やいじめ、発達障がいや知的障がい等といった教育課題に向き合うための多大なヒントを与えてくれる。そして何よりも、「家がしんどい」子どもたちに、「とことん寄り添う」ことの大切さを教えてくれる内容となっている。

トークイベント概要


トークイベントは14:00開場、14:30~16:00に開催。講師を務めるのは、磯村元信さんと同書の主人公である齋藤大作さん。定員は45名で先着順、参加費は無料。参加は申込フォームにて受付中だ。会場の八王子市学園都市センターは、JR八王子駅北口から徒歩3分、京王八王子駅から徒歩7分のところにある。

『大作物語-「家がしんどい」子どもたちを支える社会的養護のリアル』の定価は2,420円(税込)。Amazonや楽天ブックスで販売している。