履歴書の書き方、庶務経歴書の書き方についてをこれまで伝えてきましたが、今回は職種別の職務経歴書の書き方についても紹介。転職先である企業が求めていることについての具体的な内容が書いてあることがポイントです。さて、一体「企業が求める経験」とはなんなのでしょうか? 今回は営業・IT・事務系のお仕事についてです。

前回は転職活動をするのがはじめてという方、特に職務経歴書作成ははじめて。という方に向けて、「やってしまいがちなNG事例」を中心にお伝えしました。実際試してみましたか?

今日は「職種別の職務経歴書記載のポイント」についてお伝えしていきたいと思います。代表的な例として営業職、エンジニア職、事務職について記載していきます。

【営業職編】

よく、「転職活動は究極の営業活動」だ。なんて言われます。
職務経歴書=営業ツールの出来によって、あなたがこれまで磨いてきた営業センスやプレゼンテーション能力が測られるのです。

営業職を採用する際に人事がチェックするポイントをみていきましょう。
・これまでの営業成果を具体的に記載してあるか。
●何を(製品・サービス等)
●どこに(対象顧客・業界等)
●どんな手法で(新規顧客、ルート/直販か代理店経由か等)
●どれだけ売ったか(=営業実績)について、数字を使って記載しましょう。

どのようなプロセスを経て出した実績なのか?個人なのかチームでの実績なのかまで記載できるとさらに良いですね。
営業職は、シビアに成果を問われるポジションですので、成果を目標に対する数値や他メンバーとの相対比較で、優れた成果を出してきた事をアピールしていきましょう。

営業職全般に期待される能力としてよく挙げられるのは、例えば下記のようなものです。
・課題解決能力
・企画提案力
・情報収集力
・交渉力
・ストレス耐性

具体的なエピソードとともに記載できると良いですね。

【ITエンジニア・SE職編】

ITエンジニアにも女性がかなり増えてきました。どんな人材が求められているか、どのように職務経歴書でアピールしていけば良いかお伝えしていきます。

まず、これまでにどのようなプロジェクトに携わってきたのか、個々のプロジェクトに対して
●ポジション
●メンバー数
●開発期間
●プロジェクト規模
●業務内容 を明確に記述しましょう。

見やすいように、表形式にして整理している方も多いです。
上流工程へのステップを目指す転職の場合、クライアントとの折衝経験がある方は是非積極的に記載しましょう。採用担当者は、エンジニアに開発力・業務知識の他に、「コミュニケーション能力がある人材か」どうかに着目します。
コスト・人員・納期など様々な制約のもとで円滑にプロジェクトを完遂するために、現場の技術者として要望・提案をクライアントに投げかけ、問題解決を図る力が求められています。

業務経験が浅い人の場合

第二新卒レベルの若手で、まだ業務経験が浅い場合は、資格取得や自主的な勉強の実績も盛り込むようにします。

経験者の場合

プロジェクトリーダークラス以降の経験者は、人的マネジメント力や予算達成率・納期遵守実績にも触れることで、「プロジェクト全体を見渡した視点をもつ人材であること」が人事に伝わるように工夫しましょう。

ITコンサルタントを目指す場合

ITコンサルタントを希望しての転職を考えている方もいらっしゃると思います。
応募先がコンサルティングファームになるということですから、応募書類の文章からも「論理的思考力」が推察されることを意識して書類作成することがとても大切です。
取り組んだプロジェクトの数が多い場合(5~6以上)は、得意な業界のプロジェクトや、直近に経験したものを抜粋して書き込み、それ以外は要約します。

ここで書き込んだ業務内容の詳細がそのまま自己PRにつながります。業務詳細を書くときに担当業務について熱く語れる転職者は多いですが、ITコンサルタントになるためには「システム全体の流れを見てきた」ことや「ユーザーが何を求めてそのプロジェクトにお金を払うのか考えていた」という視点を持っていることが欠かせません。
「プロジェクトを無事完遂すること」だけでなく「どのような業務に関して改善を行うためのプロジェクトだったのか」を意識している人材を企業は求めています。