給料アップが期待できないので、資産運用でお金を増やしたい!と思っても、何をすればよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか?
そんな中、今年4月『給料が上がらなくても、お金が確実に増える方法を教えてもらいました。』(江上治著、あさ出版)という本が出版され、注目を集めています。
こちらの本の著者はファイナンシャル・プランナーの江上治さんですが、通常のマネー本とは違うんです。お金の知識がほぼゼロという編集担当Mさん(32歳)が富裕層専門カリスマファイナンシャルプランナー江上さんからアドバイスを受けて、その内容を実践し、年間にして約20万円の節約に成功したお話が書かれているのです。
Mさんが実践した「給料が上がらなくても、お金が確実に増える方法」って一体どういうものなのでしょうか。Mさんにお話をうかがいました。
「身体をはった企画」でお金の悩みを解決
――『給料が上がらなくても、お金が確実に増える方法を教えてもらいました。』は、編集者の方が専門家のアドバイスを受けてその内容を実践するという、マネー本では少し異色の本だと思います。この本を企画したきっかけは何だったんですか?
僕は20代で結婚したのですが、現在小学生と幼稚園の2人の子どもがいて、マイホームも購入しています。家庭を持ち仕事をする中で、手取りも少なく給料も上がらないのが現状。「お金が苦しいな……」という思いが常にありました。
そこで「仕事しながらプライベートな悩みも解決できたらいいな」と、半分は読者のため、半分は自分のために、この企画を考えました(笑)。
僕と同じように家庭を持つ30代~40代の方をターゲットにしました。特に、僕と同じように結婚して子どもがいたり住宅を購入されている方がご自身の現状と重ねやすいかな、と考えました。
支出を見直し、年間約20万円の節約に成功!
――Mさんは、江上さんからのアドバイスでスマホのプランの見直し、電気代や光熱費の見直し、住宅ローンの借り換え、学資保険の見直しなどを実践されて、月々の支出が1万5000円~2万円くらい減ったそうですね。
江上さんからのアドバイスを受けて実践していくうちに、「削れる支出って意外とあるんだな」と思いました。
例えば、学資保険は、子どもが産まれたときに、うちの親が付き合いのあった保険会社の人を紹介してもらったのがきっかけで加入したのですが、江上さんは「面倒くさがらずに同業他社の商品を比較・検証することが大切」と教えてくれました。加入当時は何も知らなかったため、他社の商品などと比べずに決めてしまったので、今思えば失敗ですね……。
――「お金のプロ」と話してみて、意外だったことはありますか。
「資産」についての定義などでしょうか。これまでは「資産=車やブランド品」と思っていたのですが、「資産=お金を生むもの」であることを知りましたね。「車」はガソリン代や自動車保険などで、逆にお金を減らすものなので、資産ではないということです。
支出にしても、投資など「将来戻ってくるお金」に使うのはアリなんだということを理解しました。投資信託も、現在は忙しくまだ購入できていないのですが、いずれやってみたいと考えています。
また、江上さんは「クレジットカードは銀行のお金を使うようなものだから使ってはいけない」と仰っていました。ただ、これはさすがに実践するのは難しくて……(笑)。
――クレジットカードを使わない、というのはさすがにキツいですね……。
でも江上さんには「それができないからお金に困っているんでしょう」と言われました。
――確かに。お金持ちの人ができている、ある意味「当たり前のこと」を私たちはできていないから、お金に困っているのかもしれません。
正直、この企画をするときには「お金を増やすための何か近道のようなこと」を聞き出そう、という気持ちもありました。でも、お金のプロ中のプロにお話を伺ってみても、そのようなものはないということがわかりました。
これだけお金についてよく知っている人から、お金を増やす近道はないと言われたら、もう諦めるしかないですよね。「お金を増やすのに魔法はないんだな」と実感しました(笑)。
――家計の見直し以外の部分で、何か生活に変わったことはありますか?
子どもにお小遣いを与えて、お金の勉強をさせようと決めました。江上さんが取材の中で「子どもの貧乏は親の責任」と仰っていたんです。日本人は家でお金の話をすることが少ないため、子どもはお金の知識がないまま大きくなるし、お金について誤解してしまう。そうならないように、小さいうちからお金について考えられるようになってほしいと思っています。