金額そのものよりも大切なのは、「どんなルールで渡すか」です。お小遣いを通して金銭感覚を育てるには、親子でルールを決めておくことが重要です。例えば、次のようなルールが推奨されます。
(1)お小遣い帳をつける
支出と収入を記録することで、自分のお金の流れを把握しやすくなります。
(2)無駄遣いをしない(明らかに浪費と思われる使い方を見直す)
浪費と思われる使い方があった場合、一緒に見直す習慣をつけます。
(3)目的を持って貯金をすることを促す
欲しいものや目標に向けて計画的に貯金する力を養います。
(4)追加のお小遣いは原則なし
ただし、特別な理由がある場合には説明させたうえで検討する柔軟性も持たせます。
また、「何に使っていいか」を明確にしておくのも大切です。例えば、「文房具は親が負担する一方、お菓子や友だちとの外出費用はお小遣いから出す」といった線引きを設けることで、子どもがお金の使い道に悩むことが減るでしょう。
これらのルールは、家庭ごとの方針や子どもの性格に合わせて柔軟に設定することがポイントです。親子で話し合う時間を持つことで、子ども自身がお金について考えるきっかけにもなります。
親子で話し合って決めることが成長につながる
「中学生になったから、いくら渡すべきか?」という疑問は、正解が一つではありません。大切なのは、金額や渡し方を親だけで決めるのではなく、子どもとよく話し合うことです。
「今まで通り学年×100円じゃ足りないと思う?」
「何に使いたいと思ってる?」
「月に○円でやりくりするにはどうしたらいいと思う?」
こうした会話を重ねることで、子どもは自分で考える力や責任感を身につけていきます。また、お金の話をオープンにすることで信頼関係も育まれ、コミュニケーション力や交渉力も向上します。
お小遣いは、金額そのものよりも「お金を通して学ぶこと」が何よりの価値です。中学生という成長期だからこそ、お金との付き合い方を少しずつ教えていくチャンスと捉えましょう。