旅行先の札幌で、スケートリンクの値段が地元の人の「2倍」高くて驚き! 観光地での「二重価格」は今後増えていく? 背景と今後の展開を解説
旅行に出掛けて、地元の人と観光客の料金に大きな差があることに驚いた経験はありませんか? 観光地では、「観光二重価格」や「地元割」といった料金の差別化を採用しているところもあるようです。   しかし、観光客としては、同じ体験をしているのに料金が異なることに、少しモヤモヤした気持ちを抱えることもあるかもしれません。では、なぜ観光地ではこのような二重価格が設定されているのでしょうか?   本記事では、観光地における二重価格の現状やその背景、そして今後の展開について解説します。

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観光地の二重価格の現状は?

観光地での二重価格の現状についてみていきましょう。2025年に開催されたさっぽろ雪祭りでは、スケートリンクの入場料に「札幌市民割」が導入され、話題となりました。
 
通常、大人の当日券は3000円ですが、札幌市民割価格では1500円となり、地元民が優遇される形となっています。なお、この価格には、シューズ代も含まれています。
 
また、海外でも二重価格を採用している例があります。インドのタージマハルでは、インド国内に住む人は50ルピーで入場できますが、観光で訪れた日本人などの外国人は1100ルピーと、料金に大きな差があります。
 
1ルピーを1.7円のレートで換算すると、インド国内に住む人は85円、外国人は1870円となり、その差は実に22倍にもなります。このような料金差は、世界中のいくつかの観光地でみられます。
 

なぜ二重価格を採用するの?

観光地が二重価格を採用する理由は、観光資源の維持やオーバーツーリズム(観光公害)対策のために必要な財源を確保することが主な目的です。
 
特に、インバウンド向けの価格設定については、円安や物価水準の違いにより、訪日客に高い負担能力があると見込み、負担を多く求める狙いがあります。また、観光地で外国語表記のメニューや案内を提供するなど、観光客対応には追加コストが発生するため、価格差を設けることは自然な対応とも考えられます。
 
国内の観光客向けにも、例えば、札幌雪祭りの開催には札幌市の財源も使用されているため、市民はすでに税金によって負担をしているともいえます。このような背景から、地元民優遇策として価格差が設けられている理由は理解できるのではないでしょうか。
 
二重価格の採用に対して、「差別的だ」との意見もありますが、観光地の維持や地域経済の支援を目的とした戦略として、日本でも導入する動きが見られます。
 

二重価格の今後の動向