
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
1人暮らしの老後資金はいくら必要?
老後資金の目安は、生活スタイルや価値観によって大きく異なります。総務省の「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月あたりの支出は14万5430円です。
収入から税金や社会保険料などを差し引いた手取り収入(可処分所得)は11万4663円で、毎月約3万円の赤字となります。
この結果から、公的年金だけで生活費を賄うことは難しく、貯蓄が必要であると分かります。また、60歳でリタイアして65歳まで年金がもらえない場合、その間の生活費も準備しなくてはなりません。
例えば、年金受給までの生活費(5年間)は約873万円(14万5430✕12ヶ月✕5年)、90歳まで生きると仮定した場合、65歳以降の生活費(25年間)で赤字分の合計の約900万円(3万円✕12ヶ月✕25年)が必要です。
このように計算すると、老後に必要な資金として2000万円あればというのが一つの目安となることが見えてきます。
老後資金をためている人の割合
実際にどれくらいの人が老後資金をためているのでしょうか。株式会社ライボの調査機関「Job総研」が行った「2024年 ⽼後資⾦の意識調査」によると、老後資金を「ため始めている」割合は52.0%と過半数を占めています。
年代別の回答では50代が62.8%で最も高く、40代が53.6%、30代が51.7%、20代が42.2%と、年代が上がるほど貯蓄者割合が高い結果が報告されました。
また、老後資金へ「不安を感じている」と回答した人は82.3%と8割以上です。その理由としては「年金の受給有無」が68.3%と最も高く、次いで「物価高騰による生活費の増加」が54.3%、「健康保険や医療費の増額」が50.3%という結果でした。
不安がなくなる老後資金の金額の平均額は4040万3000円ですが、中央値が2500万円、最頻値が2000万円です。この結果から、既出の家計調査年報同様、老後資金として「2000万円」というのが多くの方にとって目安となっていることが分かります。