今回の日銀の決定で、政策金利は0.25%引き上げられました。仮に住宅ローンの変動金利が0.25%引き上げられた場合、どれくらい返済額は増えるでしょうか?
事例として、借入金額3500万円、元利均等返済で返済期間が35年の住宅ローンについて考えます。金利をさきほどの大手銀行の変動金利と同じ「年0.375%」とした場合と、0.25%引き上げた「年0.625%」とした場合の返済総額と月々の返済額を図表1にまとめました(端数切り捨て)。
図表1
返済総額 | 月々の返済額 | |
---|---|---|
金利0.375% | 3735万2365円 | 8万8934円 |
金利0.625% | 3897万6452円 | 9万2801円 |
CASIO 高精度計算サイト ローン返済(毎月払い)より筆者作成
0.25%の引き上げによって返済総額は「162万4087円」、月々の返済額は「3867円」増える計算です。
ちなみに、固定金利「年2.05%」の場合、返済総額は「4907万3384円」、月々の返済額は「11万6842円」となる計算です。変動金利0.375%の場合に比べて1000万円以上の差が出ます。
ただし、上記の計算はあくまでも35年間金利が一定であると想定したものです。実際には返済期間中5年ごとに金利が見直され、その都度返済総額は変わるので注意してください。
政策金利が上がっても固定金利のほうがお得とは限らない
変動金利が固定金利を上回ることがあるとすれば、それは日銀の政策金利が急激に引き上げられるような場合です。現在の水準ではまだ変動金利のほうがお得であると言えるでしょう。
ただし、日銀は日本が経済成長を続け2%程度の安定した物価上昇の見通しが実現すれば、引き続き政策金利を引き上げる方針だとも述べています。契約中に変動金利が上昇して固定金利を上回る可能性もゼロではないため、不安のある人は、住宅ローンを組む際はファイナンシャルプランナーなど専門家と相談して決めることもおすすめです。