もともと控えめな性格で、自己主張が強いタイプではないが、真摯に仕事に取り組む姿勢が評価されて、早くから映画業界で頭角を現し、2001年に出演した『とらばいゆ』で毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。映画初主演作となった2002年の『blue』では、第24回モスクワ国際映画祭最優秀女優賞を受賞した。

 さらに同じく2002年に出演したドラマ『サイコドクター』(日本テレビ系)で第35回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 新人俳優賞を受賞し、2004年には『天花』(NHK)で朝ドラ初出演、2008年には『篤姫』(同)で大河初出演とドラマでも活躍。圧倒的なオーラを放つ主役タイプではなく、どんな役にも染まるバイプレイヤーとして、静かに存在感を示していった」

 バイプレイヤーとしての評価が高く、SNSを一切やっていないためにミステリアスな印象があるのも魅力的だ。

「第40回日本アカデミー賞優秀助演女優賞や第71回毎日映画コンクール女優助演賞を受賞した『シン・ゴジラ』で演じた尾頭ヒロミも、環境省自然環境局野生生物課課長補佐という難しい役どころを好演。“これみよがし”ではなく抑制されたクールな演技で説得力を持たせた。その後も『三度目の殺人』(是枝裕和監督)、『ナラタージュ』(行定勲監督)、『DESTINY 鎌倉ものがたり』(山崎貴監督)、『よこがお』(深田晃司監督)など、世界的に評価の高い映画監督の作品に起用され続けたことからも、バイプレイヤーとしての信頼の厚さがうかがえます。

 どこか謎めいたイメージがありますが、2024年に出演した『À Table! ~ノスタルジックな休日~』(BS松竹東急)に関連したインタビューで、雑誌『暮しの手帖』を10代の頃から愛読し、普段から素材重視の健康的な料理を好み、食器にもこだわるなど、丁寧な暮らしをしていることを明かしています。そうした清冽なライフスタイルが、自然体の演技に結び付いているのは間違いないでしょう」

綾瀬はるかが称賛…実は情熱家