株式の動きを一目でわかりやすくグラフ化したものが「株価チャート」だ。株価チャート(以下チャート)は、時系列で過去の株式の値動きを表したものであり、客観的事実のみが反映されているのでごまかしが一切ない。
その点で、チャートにはその株式を売買する投資家の素直な心理状態が反映されているとも言える。ここではチャートの基本であるローソク足や出来高などに注目し、そこからいったいなにがわかるのかをお伝えしていきたい。
基本1 ローソク足で株価の先行きを予測するには
一定期間の株価の動きを表現したものがローソク足である。一定期間の開始値段、一番高い値段、一番安い値段、終了値段の4つの値段を組み合わせることでローソクのような形になるのだが、そのローソクを組み合わせることで株価チャートが出来上がる。
ローソク足の形で株価を振り返ってみると、そこから株価の動きに関する様々な情報をよみ取ることができる。
例えば1週間で、ある企業の株価が1000円から1200円へと上昇したとする。数字だけ見ると上昇したという事実しか知ることしかできない。
しかし、株価の動きをより深く知るためにはその銘柄がどのように上昇したのかを知っておくべきなのだ。上記の銘柄の値動きが一週間の中で以下の経路をたどって作られていたらどうであろうか。
A 1000円→1500円→1200円
B 1000円→900円→1200円
どちらも1000円スタートで1200円で週末を終えているが、その間は全く異なる値動きをしている。Aは一度大きく買われたものの反動で大きく売られて終えている、Bは一度売られたものの結局は高値をつけて終えている。
投資家心理で言えば、次の週に強気で挑みたいのはBのほうなのである。株価のみからは知ることのできない情報がローソク足には詰まっている。興味があればぜひローソク足の分析なども知ってほしいものだ。
参考)酒田五法(ローソク足の分析方法の一つ)
基本2 移動平均線で株価の売買ポイントを探る
移動平均線は、決められた期間の株価の平均値をつなぎ合わせてつくった線のことである。1日をベースにした移動平均線の場合には、毎日株価が変わるので1日終わるごとに線の位置は更新されていくことになる。
いったいなぜこんな線があるのだろうか。
移動平均線の一般的な仕様の方法は株価のおおまかな流れを見ることにある。単純に移動平均線が上向いている時には株価は上昇トレンドになっていると判断されるのだ。
移動平均線には実に様々な使い方があり、慣れてくると株価が大きく動いた時に移動平均線からどれだけ離れているかで売買の判断をするというものがある。
これは移動平均乖離率を利用した株価の売買として特に短期投資をする人たちに人気の高い投資方法である。ちなみに移動平均線を利用した売買ポイントの見つけ方には以下のものが存在している。
参考)ゴールデンクロス&デッドクロス
……2本の移動平均線の交差によって売買ポイントを探る
参考)グランビルの法則
……移動平均線とローソク足の位置関係によって売買ポイントを知る