ホテルと言えば、旅行や出張で宿泊する、というケースを頭に思い浮かべる人がほとんどだろう。ただし、富裕層やエグゼクティブの中では、「平日の高級ホテル使い」が特別なものではなくなっているそうだ。彼らは一体、どのようにホテルを使うのだろうか。

「高級ホテルならではのサービス」とは?

その理由を探る前に、あまり知られていない「高級ホテルならではのサービス」について確認しよう。代表的なものを2つ紹介したい。

1. スパ&フィットネス

富裕層やエグゼクティブは、自身の健康に人一倍気を配っているため、ジム通いは、もはや日常の一部といえよう。高級ホテルのスパ&フィットネスは、通常のジムとは異なり、利用者が少なく、快適に使うことができる。安倍晋三首相のスケジュールを報じる首相動静を確認しても、時折、六本木ヒルズに隣接している「グランドハイアット東京」のスパ&フィットネスを訪れているようだ。

2. 会員制のラウンジ

たとえば朝食会場は、通常のメインレストランとは別に、会員専用のラウンジでも摂ることができる。団体客が入ってくることもなく、リラックスして食事ができる。また、基本的には回りの客も富裕層やエグゼクティブばかりなので、こういった場で交流が生まれることも多いようだ。

なぜ富裕層は「平日に高級ホテルに泊まる」のか

富裕層やエグゼクティブは、近くに住居を構えているにもかかわらず、なんでもない平日でも、高級ホテルに宿泊することがある。一体なぜなのだろうか。主に3つの理由が浮かびあがってきた。

1. 完全に思考を切り替えるため

家が日常的な空間であるならば、ホテルは非日常的な空間である。しかも、高級ホテルであれば、食事や家事など「仕事以外の考え事」をする手間が省けるのだ。こういった環境に自分を置くことで、いつもとは違う思考回路を働かせ、日々時間に追われている中ではなかなかできない、ゆっくりとした思考作業を行うことが出来るのである。

2. ホテルのサービスを熟知しているから

ホテルのサービスは、レストランと宿泊室だけではない。他にもスパやプールなど、高級ホテルには様々なサービスが付随していることが多い。そういうサービスを使うことで、心身ともにリフレッシュを行い、活力を養うこともできる。富裕層やエグゼクティブは、時間がない代わりに、リラックスの集中度を上げることで、活力を養っているといえるだろう。

3. 富裕層やエグゼクティブ同士の交流が生まれるから

いわゆる高級ホテルは、都内には10か所程度しかない。しかも、そのホテルには、海外の富裕層やエグゼクティブも宿泊している。彼ら同士が、ホテル内で交流することもある。こういったところで人脈を作り、活かしていくのも富裕層やエグゼクティブの特徴といってよいだろう。