そんな河合はこれまで「日本アカデミー賞」以外にも「毎日映画コンクール」や「ブルーリボン賞」、「キネマ旬報ベスト・テン」など国内の主要映画賞を総なめにしている。

 22年公開の『PLAN75』などでも各映画賞の助演女優賞や新人賞などを受賞していたが、わずか2年で驚くべき“進化”をみせたという。

「『日本アカデミー賞』の最優秀賞候補である主演女優賞の受賞者は河合さん以外に、『ミッシング』の石原さとみさん、『夜明けのすべて』の上白石萌音さん、『九十歳。何がめでたい』の草笛光子さん、『ラストマイル』の満島ひかりさんでした。上白石さんと草笛さんはそこまで評価は高くなかった一方、石原さんは『ミッシング』で母親役として新境地を開拓。満島さんの『ラストマイル』は興行収入50億円を突破しました。とはいえ、2人は他の映画賞でもあまり名前が挙がっておらず、純粋に演技面が評価されているのは河合さんだけだったので、結果には納得です」(同映画業界関係者)

 河合は2024年10月12日放送の日本テレビ系『アナザースカイ』で、演技を学ぶために大学に進学するものの中退した時のことを告白している。

 その理由として、2年進学時の20年にコロナ禍に見舞われたことに言及し、「実践系の授業はコロナ禍ではちょっと難しかったですね」と当時を回顧。

 そのうえで、「もう大学と同時に事務所に入ってお仕事はじめていたので、現場で勉強していこうかなと思って」と退学を決意したことを明かした。

 そうした覚悟が実り演技が進化し続けているのかもしれないが、映画賞無双の理由は河合の演技力だけではないという。

「主演女優賞に関しては、年によってはノミネートする頭数を揃えるだけでも難しい時もありますからね。宮沢りえさんや安藤サクラさん、蒼井優さんといった、演技力に定評のある歴代の各映画賞受賞者の主演作が公開されない年もありますし。昨年なんかはまさにそういう年だったので、河合さんの演技が光り過ぎてしまったきらいもあります。もっとも、そう遠くない将来には河合さんがそうした名立たるライバル俳優たちと賞レースでしのぎを削り合うことになるでしょう」(映画賞の選考委員)