高年収者の「厚生年金保険料」引き上げが話題に! 実際「年収798万円」以上の人はどのくらい? 上限見直し案の内容とあわせ解説
厚生年金保険料の上限見直し法案が、2025年の通常国会に提出される見込みです。一部のメディアは「賞与を除く年収798万円以上の会社員の厚生年金保険料が増える」と報道しています。   本記事では、今回の上限見直し案と、「賞与を除く年収798万円」の立ち所、ポジションについて紹介します。

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そもそも厚生年金保険料はどう決まる?

会社員は、自分の厚生年金保険料を会社と折半し、本人負担分を月給・賞与からの天引きで納めています。給与明細を見れば、月給・賞与のおおむね9.15%が厚生年金保険料として天引されていることを確認できるでしょう。「おおむね」と表した理由は次のとおりです。
 
賞与にかかる厚生年金保険料は、賞与から1000円未満の端数を切り捨てた額に対する9.15%です。かつ、賞与が150万円を超える場合は150万円を上限として計算されます。つまり、賞与が150万円を超えたときの厚生年金保険料は13万7250円が上限です(150万円×9.15%)。
 
一方、月給(基本給+手当)にかかる厚生年金保険料は、月給を32個のグループ(等級)に区分した「標準報酬月額」に対する9.15%となります。
 
例えば、残業代などを含めた平均的な月給が「31万円以上33万円未満」の人は、標準報酬月額「32万円」の等級に区分され、厚生年金保険料は残業時間などによって変動せず、32万円×9.15%=2万9280円となります。
 
また、平均的な月給が「63万5000円以上」の場合の標準報酬月額は「65万円」に固定され、これが標準報酬月額の上限です。つまり、平均的な月給が65万円を超えている期間、月給にかかる厚生年金保険料は5万9475円が上限です(65万円×9.15%)。ちなみに平均的な月給は、原則として年に一度見直されます。
 

今回の上限見直し案の内容は?