すぐに歌を歌いたいっていうのは、演者目線ではなく、まだお客さん目線なんですよ。「ちゃんと基礎からやらないといけないよ」と言われてやるのではなく、自ら「ここが大事なんだ」と見極めて基礎練ができるというところが、ゆりにゃちゃんは最初から演者目線で歌を捉えているなと感じたところですね。

——「基礎が大事」ということを頭で理解していても、いざ実践できる人というのは限られていますよね。

純子 ええ。何よりゆりにゃちゃんのマインドは、言葉だけじゃなくて行動でもわかります。アイドルオーディションの合宿中も、絶対に忙しいはずやのに、私のレッスンやダンストレーナーとして参加されていたのぶりん先生のレッスンをすごく見てらっしゃったんですよ。アイドルオーディションは何度か経験してるんですけど、こんなにしっかりレッスン内容を見られる方はなかなかいないと思います。

 あと間違えてゆりにゃちゃんのメモがエアドロで届いて見てしまったことがあるんですが、その時もオーディション生一人ひとりの良いところも悪いところも細かく書かれていました。フィードバックは自分自身への鍛錬でもあるし、その上でアドバイスを行うという行為も必ず自分自身の取り組みや成長に繋がってきますから。

動画は2倍速視聴!常に思うのは「食らいついてやる」こと

——2回目のレッスンを受けた時に、1回目のレッスン時との違いや変化って感じられましたか?

ゆりにゃ 1回目は女性の曲を、2回目は男性の曲を歌ったので、全く別物な感じというか、どちらも新たなことに挑戦してるみたいな感覚でした。

純子 2回目はCHANCE GYM(ゆりにゃプロデュースのパーソナルトレーニングジム)のトレーナーの方と一緒にレッスンを受けていただいたんですが、男性と二人なこともあって、せっかくなので男性の曲をアレンジした歌い方を即興で考案して、アイドルみたいに歌割りも作ってその場で実践してもらいました。私のレッスンではいきなり「こういうことをやってみましょう。じゃあBメロのここから、ハイどうぞ!」って歌わせるみたいな、説明から実践までのスピードが速いのですが、ゆりにゃちゃんは迷わずついてきてくれるんですよね。