長期契約により事故時の等級ダウンを回避
事故による等級ダウンや料率改定などによる保険料負担の増加を回避するための手段として、「長期契約にする」という方法がある。長期契約とは保険期間1年超の契約のことで、例えば損害保険ジャパン日本興亜株式会社の場合、最長で7年間の長期契約が可能だ。長期契約の場合、毎年の保険料は契約時に決定される。そのため、契約期間中に等級ダウン事故や料率改定があっても、保険料が上がることはない。
現在、8等級で自動車保険に加入していると仮定する。1年契約の場合、保険期間中に3等級ダウン事故が1件あると次年度の等級は5等級(事故有係数3年)となり、保険料の割引率が大幅に下がる。これに対して長期契約の場合、3等級ダウン事故があったとしても保険期間中は、等級も保険料も変わらない。等級ダウンや保険料アップがあるのは、保険期間後の更改時なのだ。
また多くの保険会社では「ゴールド免許割引制度」を採用しているが、1年契約の場合は毎年免許の色を申告し、ブルーになった段階で割引がなくなってしまう。これに対して長期契約の場合、契約の翌年に免許の色がブルーになったとしても、保険期間中はゴールド免許割引が適用される。
このように長期契約には、等級ダウンや料率改定、免許の色の変更などに伴う保険料アップを、一時的に回避できるというメリットがあるのだ。
複数所有新規により7S等級で保険に新規加入
自動車保険に新規加入する場合、基本的には6S等級からのスタートとなる。しかし一定の条件を満たす場合、7S等級での加入が認められている。それが、「複数所有新規」だ。
複数所有新規は、以下の条件を満たす場合に適用される。
- 自家用8車種もしくは二輪自動車について、11等級以上の他契約が存在すること
- 新契約について、前契約が存在しないこと
- 新契約の被保険者と車両所有者が、他契約の被保険者と車両所有者(a)、その配偶者(b)、(a)(b)の同居の親族であること
- 新契約の車両が自家用8車種もしくは二輪自動車であること
- 新契約の始期日が他契約の保険期間内にあること
新契約の被保険者と車両所有者が個人であること 6(S)等級と7(S)等級では、割増引率が異なる。例えば、東京海上日動火災保険株式会社では、各等級につき以下のような割増引率を設定している。
6(S)等級
全年齢補償……28%割増
- 21歳以上補償……3%割増
- 26歳以上補償……9%割引
- 35歳以上補償……9%割引
7(S)等級
- 全年齢補償……11%割増
- 21歳以上補償……11%割引
- 26歳以上補償……40%割引
35歳以上補償……40%割引 また、損害保険ジャパン日本興亜株式会社では、各等級につき以下のような割増・割引率を設定している。
6(S)等級
全年齢補償……28%割増
- 21歳以上補償……3%割増
- 26歳以上補償……9%割引
- 35歳以上補償……12%割引
7(S)等級
- 全年齢補償……11%割増
- 21歳以上補償……11%割引
- 26歳以上補償……40%割引
- 35歳以上補償……40%割引 6(S)等級と7(S)等級では、その割引率が最大で31%も異なるのだ。ここにいう「他契約」は、新契約と異なる保険会社のものでも問題ない。配偶者や同居の親族に11等級以上の自動車保険契約を保有している人がいる場合、複数所有新規で保険に加入すべきだろう。