所在不明の相続人がいる場合、その相続人を除外して遺産分割協議を行うことはできません。家を出ていったときの事情にはそれぞれ理由があることと理解できます。そして、それぞれの事情において対処法は異なるものの、いずれにしても、所在を知るための努力は必要です。
 
そのうえで、所在が分からない場合には、不在者財産管理人の選任や失踪宣告の申し立てといった法的手段を利用することになります。どの方法を選ぶかは、相続財産の規模や相続人の意向によります。そもそも亡くなられた方が有効な「遺言書」を残していたか否かにもよります。
 
しかし、くれぐれも相続人の所在が分からないことを理由に除外して遺産分割を進めることは避けなければなりません。トラブルを防ぎ、円滑な相続手続きを進めるためにも適切な手続きを踏むことが大切です。
 

出典

法務省 戸籍とは
最高裁判所 不在者財産管理人選任
 
執筆者:大竹麻佐子
CFP®認定者・相続診断士

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