入院中の父から代わりに口座からの「引き出し」をするよう頼まれました。通帳とカードがあれば娘の私でも出金してもよいのでしょうか?
「入院中の父親に口座からお金をおろしてくるよう頼まれたが、家族なら可能なのか?」と疑問に思うこともあるでしょう。   通帳やカードがあれば誰でもお金を引き出すことが可能と思われるかもしれませんが、その場合は事前に手続きが必要です。   本記事では、口座を動かさずにいると休眠預金になる可能性があることや、長期入院の前に準備しておくと安心なことなども含めてご紹介します。

▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?

名義人以外でも口座からお金を引き出すことは可能?

名義人以外であっても、委任状があれば預金口座からお金を引き出すことは可能です。今回の事例のように「入院中の父親に口座からお金を引き出してくるよう頼まれた」という場合でも、問題なく引き出せると考えていいでしょう。
 
ただし、銀行によっては委任状があっても銀行側が名義人に電話をかけて意思確認することがあるようです。もし、名義人が認知症などで意思確認が取れない場合は、第三者がお金を引き出すことができなくなってしまう可能性があります。
 
このような心配をなくすためにも、事前に代理人キャッシュカードを発行したり、代理人指名手続きを済ませておくといいでしょう。例えばA銀行のホームページには、代理人キャッシュカードがあればATMでの入金・出金が、代理人指定手続きをしておけば窓口での入金・出金が可能になる旨が記載されています。
 
また、B銀行では、名義人と生計を共にする親族一名に限り、代理人カードを申し込めるようになっているため、自身が使用する銀行が該当するのかチェックしてみましょう。
 
いずれも名義人本人による事前手続きが必要になるため、入院前に窓口で手続きを済ませておくことをおすすめします。
 

休眠預金にならないよう注意

代理人になれず口座を長期間放置すると、休眠預金になってしまう可能性があります。休眠預金とは、10年以上にわたって取引が行われていない預金のことです。
 
預金残高が1万円以上ある場合は休眠預金になりそうな預金がある旨の通知が郵送されてきます。この通知が届けば休眠預金にはなりませんが、届かなかった場合は休眠預金となり、残高が支援活動に活用されることになってしまいます。
 
名義人の入院が長期にわたる場合や、認知症になり判断力が低下すると委任状を作成できなくなり、休眠預金になってしまうかもしれません。そのような心配をなくすためにも、早めに代理人の手続きをしておいた方がいいでしょう。
 

長期入院の前に準備しておくべきこと