娘が生まれ、父に「将来の学費が心配」と相談したら「女の子なら高卒で十分だろう」と返答が! 今は性別関係なく学歴が必要だと思うのですが、生涯賃金もだいぶ違いますよね…?
男女平等が当たり前となった昨今、「男は仕事、女は家庭」と考える人は少数派かもしれません。ただ、今でも「女性は結婚して子どもを産むのが幸せ」、「家庭に入るのだから学歴は必要ない」と考える人もいるでしょう。   本記事では、祖父が孫の教育をめぐって「女の子だから学歴は必要ない」と言ったケースを取り上げます。本当にそうなのでしょうか? 現代における女性の進学について解説します。

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女性の大学進学は過去最多

文部科学省の「令和6年度学校基本調査」によると、2024年3月における高等教育機関(大学、短期大学、高等専門学校など)への進学率は87.3%となっており、過去最高を記録しています。
 
大学(学部)進学率は59.1%、大学の学部における女性比率は45.9%で、こちらもそれぞれ過去最高となっています。
つまり、大学に進学する人のほぼ半数は女性ということですね。
 

大学卒と高校卒の生涯賃金差は約5000万円

「ユースフル労働統計2024」によると、女性の生涯賃金は大学卒が2億190万円、高校卒は1億5440万円となっており、その差額は4750万円になります。
高等教育機関の学費と比較してみた場合、私立大学の医学部など学費がきわめて高い大学に行くなどしない限り、学費をはるかに上回る投資効果となるのではないでしょうか。
 

家事育児等への意識も平等になっている

図表1は、令和5年版男女共同参画白書にある、家事育児等について、20~60代の年代・男女別に「自分が率先してするべきことである」と回答した割合を示しています。20代における男女差は、わずか0.3ポイントですが、その差は世代が上がるほどに広がっていき、60代では16.9ポイントにもなっています。
 
本記事のケースにおいて、父が「女の子なら高校卒でも十分だろう」と発言した背景には、このような性別役割分業意識があるのではないでしょうか。ただ、20代の男女にはほぼ差がなく、「男は仕事、女は家庭」と考える人は非常に少数であることが分かります。男性は若い世代ほど、家事育児等への抵抗感が薄いようです。
 
図表1