それでは、加入期間や給与額の違いによって、どれくらい厚生年金の報酬比例部分に差が出るのかを見ていきましょう。なお、今回は年齢差を考慮しないこととします。
【事例1:給与額が異なる】
・Aさん 平均標準報酬月額:30万円 加入期間:40年
・Bさん 平均標準報酬月額:32万円 加入期間:40年
この前提でもらえる報酬比例部分の年額は、Aさんが78万9264円、Bさんが84万1882円で、その差は年間5万2618円です。
【事例2:加入期間が異なる】
・Aさん 平均標準報酬月額:32万円 加入期間:37年
・Bさん 平均標準報酬月額:32万円 加入期間:40年
この前提でもらえる報酬比例部分の年額は、Aさんが77万8740円、Bさんが84万1882円で、その差は年間6万3142円です。
事例1・2とも、AさんとBさんが受け取る年金額は、だいたい月額にして5000円ほどの差が出ました。場合によっては、同じ会社で働いていてもその差がもっと大きくなることもあるでしょう。
まとめ
年金額は、加入期間、給与水準、退職後の働き方、制度改正など、さまざまな条件や要素によって決まります。
そのため、一見同じような境遇で同じように働いていたように見えても、受け取る年金額に差が出ることがあります。年金は長期間にわたって形成されるため、少しの違いが最終的に大きな差を生むことも少なくありません。
老後の生活設計を考える上でも、基礎的なことを理解しておきましょう。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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