このまま少子高齢化が進んでしまうと、年金の資金源が枯渇する恐れがあり、私たちが将来受け取れる年金額にも悪影響が出る場合があります。国は将来の年金財源の不足を補うために、年金積立金の運用をしているようですが、世代が若くなるほど年金額は少なくなる可能性があるでしょう。
年金の平均受給額
日本年金機構の発表によると、令和6年4月分(6月14日支払分)より、年金額の支給額が令和5年度より原則2.7%引き上げられます。昭和31年4月2日以後生まれの方の場合の令和6年度の年金額の例を以下の表1にまとめました。
表1
令和6年度(月額) | 令和5年度(月額) | |
---|---|---|
国民年金(老齢基礎年金(満額))※1 | 6万8000円 | 6万6250円 |
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)※2 | 23万483円 | 22万4482円 |
※日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」を基に筆者作成
年金の平均受給額がアップした背景としては、令和5年度における被保険者の平均賃金の上昇や物価高などの影響と考えられているようです。年金受給者の実質的な生活水準を維持・向上させるために必要な措置といえるでしょう。
※1 令和6年度の昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額)は、月額6万7808円
※2 平均的な収入で40年間就業した場合に受け取り始める老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準
もらえる年金に不安を感じる場合の対策
将来もらえる年金額に不安を感じている場合は、なるべく早いタイミングで対策を練ることが大切です。
例えば、勤務先に福利厚生の一環として「企業年金」制度を設けている場合があります。公的年金である老齢基礎年金および老齢厚生年金に上乗せできるため、老後の年金収入アップにつながる可能性があります。
また年金だけでなく、老後資金を貯蓄しておくことも大切です。財形貯蓄や定期預金、小規模企業共済などの方法で積み立てをして、将来の生活に備えていきましょう。
その他にも、資産運用や住宅ローンの繰り上げ返済を行うのもおすすめです。さらに、定年後も働ける状態であれば、なるべく働くスタンスを取ることも検討しましょう。70歳までであれば、厚生年金保険への加入もできるため、将来もらえる年金額の増額にもつながると考えられます。