土地境界のみなし確認制度とは、土地の現地調査等で複数回の通知を行っても土地の所有者や利害関係人等から反応がない場合、その土地の所有者等に筆界案を送付し、20日以上経過しても意見等の申し出がなければ、その所有者等が筆界の確認とみなし、調査ができることとした制度です。本制度は2024年6月28日に公布され、7月から施行されました。
どのように変わったの? 流れはどうなるの? 費用は?
土地の境界を確認する現地調査等の通知に無反応な所有者等がいる場合、以下の流れで手続きを進められるようになりました。
1. 現地調査等の通知に反応がない所有者等に対して、地籍調査実施者(市町村等)が当該所有者等へ書留郵便等で図面等調査の通知を送付
2. (1の通知が届いているが所有者等から応答がない場合)地籍調査実施者(市町村等)が筆界(登記により区画された土地境界)に関する情報を総合的に考慮し筆界案を作成
3. 地籍調査実施者(市町村等)が筆界案を当該所有者等へ書留郵便等で送付
4. (当該筆界案が到達した日から20日間に当該所有者等が意見申し出をしない場合)当該所有者等による筆界案の確認があったものとみなす
※国土交通省 地籍調査Webサイト「土地境界のみなし確認制度(無反応土地所有者への対応)の創設」より
もちろん、「反応がない場合」の流れですので、立ち会いや図面等調査を積極的に拒まれる場合や、そもそも図面等調査の通知、および筆界案の到達が確認できない場合は対象外となります。また、調査等の費用は国や都道府県、市町村の負担となりますので、所有者等が費用を負担することはありません。
もし境界が不明だったら
Aさんは将来的には売却を考えているとのことですが、もし隣地の方と連絡が取れなければ取引ができなくなる可能性もあります。しかし、この制度ができたことにより、売買が困難な土地もスムーズに取引できるようになるかもしれません。
また前述のとおり、所有者等に対し費用はかかりませんので、その土地の自治体に問い合わせるようにしましょう。